転職に最適なタイミングはいつ?時期や年齢別、データから見るおすすめの時期
監修者
栗原深雪
■資格
社会保険労務士
国家資格キャリアコンサルタント
産業カウンセラー
この記事で分かること
- 転職に最適な時期は1月・2月・10月
- 年齢でみると25歳から29歳が、最も転職者が多いとされている
- ライフスタイルやキャリアプランの変化、年代や状況によって転職成功のポイントは異なる
転職を考える際に「いつがベストなタイミングなのか?」と悩む方は多いのではないでしょうか。実際、転職のタイミングは「年代」や「時期」「会社の方針変更」、結婚や出産・育児といった「ライフステージの変化」など、さまざまな要因によって左右されます。一人ひとりの状況や環境によって最適な転職タイミングは異なるため、自分にとってベストな時期を見極めることが大切です。
本記事では、転職を成功させるための最適なタイミングを、時期別・年代別・勤続年数別に解説。また、ボーナスを受け取ってから転職してもいいのかどうか、結婚や出産・育児といったライフイベントが絡んだときに転職する際の注意点など、具体的なケースを想定した転職成功のポイントもご紹介します。
監修者からのファーストアンサー: 転職成功の鍵は、年齢やライフイベントに応じた最適な時期を知り、企業ニーズを理解して準備しておくことです。この記事を参考に、納得のいく転職となるよう、計画的に準備し、自分に合ったタイミングを見極めましょう。
【時期別】転職のタイミングがベストなのは1月、2月、10月
厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況」のデータによると、1年のなかで新規求人数が特に多くなるのは1月、2月、10月です。この時期は、4月入社を見据えた新年度の組織体制強化のため、企業が早い段階から求人を活発化させる傾向があります。
特に1月・2月は、新年度に向けて人員を確保し、体制を盤石にしたいという企業側の意図が反映されています。また、10月も求人が増加する時期です。これは多くの企業で決算期が3月・9月・12月に集中していることが関係しています。
決算後には、業績や組織の見直しを踏まえた新規事業の立ち上げや人員補強が進められやすく、結果として1月や10月に求人が増えるためです。
したがって転職時期に迷う場合は、企業の採用活動が活発になる1月、2月、10月を押さえておくことが重要です。ただし、転職は運や縁にも左右されるため、少しでも転職を考えているなら、早めに動き出すことが成功への近道となります。
専門家アドバイス: 求人数が増える1月・2月・10月は通常時期には出にくい好条件の求人が見られる時期です。こうした機会を見逃さないためには、仕事への思いやキャリアの棚卸、転職に必要な書類の準備など、できることから早めにすすめておくようにしましょう。
【年代別】データから見る転職者が多い年齢
厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、転職入職率が最も高いのは男女ともに25~29歳であり、そのあとは年齢が上がるにつれて転職率は緩やかに低下する傾向にあります。この年齢層に転職者が多いのは、新卒入社から3年以内に転職を考える「第二新卒」世代が多く含まれているからです。
「第二新卒」世代は、将来の成長や即戦力としての柔軟性が期待できるため、企業側も積極的に採用する傾向があります。一方、30代以降は転職の難易度が上がるという見方が一般的です。しかし、近年は転職エージェントの活用などにより、キャリアアップを成功させる30代以上の転職者も増えてきています。
【勤続年数別】転職タイミングの目安とメリット・デメリット
厚生労働省「令和2年転職者実態調査」によると、転職者が直前に勤務していた企業の通算勤務期間は「2年以上5年未満」が最も多く26.9%となっています。次いで「10年以上」が19.7%、「5年以上10年未満」が17.7%です。転職理由には「長期的な成長が見込めないと感じた」「待遇面が想像と異なった」「社風が合わなかった」などが挙げられています。
2年以上5年未満での転職は、仕事を一通り覚えたタイミングのため、キャリアアップや年収アップを目指しやすいメリットがあります。一方で「またすぐ辞めてしまうのでは」と懸念され、内定のハードルが上がる場合がある点に注意が必要です。
5年以上10年未満の転職では、これまでに培ったスキルや経験を活かしつつ、新しい分野に挑戦することでキャリアの幅を広げられる可能性があります。現職でかなえられなかったリーダーや管理職などのポジションも目指せるかもしれません。ただし「社内で築いた評価や人間関係がリセットされる」「新しい職場で一から信頼を築く必要がある」などのデメリットもあります。
10年以上同じ企業に勤めてからの転職は、マネジメント経験が評価されやすい一方、未経験分野への転職は難しくなりがちです。長期勤務は一定の評価につながりますが、実績やスキルがともなっていない場合は評価が下がるおそれもあります。
いずれのタイミングにおいてもメリット・デメリットはあります。なぜ転職したいのかを明確にし、最適なタイミングを見極めることが重要です。
以下、OpenWorkのクチコミも参考にしてください。
退職検討理由:上が詰まっている状況と、年齢があった際にずっとは続けられない不安から転職を決意。20代までは体⼒⾯や給与⾯でも不安はないが、30代以降でやるとなると、⼤したスキルも⾝につかず転職も難しくなると思い退職を決意。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由:成⻑性がない。会社が何を⽬指しているのかわからない。納得できない。妥協して納得させられてるような。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: 社⾵が肌に合わなかったため。転職で⼊社する⼈が少ない=上司間の⼈間関係が⾯倒くさい。プロジェクトを進めていくと、その上司間の⼈間関係のせいで進⾏が⽌まることがあり、嫌気がさしてしまった。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: やはり待遇⾯である。仕事が⼤変な割に給料も低く、残業代も雀の涙であり、このままでは何かが起こったときに困ると思ったから。また、テレワークを嫌がる⾵潮であり、コロナ渦で不安を感じたから。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: 中途採⽤の⼈の⽅が待遇が良いように感じ、評価に不満があったため。残業も多く、それに対して対策をしていないように感じられ45時間を毎⽉超える感じでした。対策もないのに残業を減らせと⾔われることも度々ありましたが、業務量も減らず、採⽤や業務効率化も進まなかったので残業を減らすのが⼤変でした。新卒でしたが、中途の⼈や海外のスタッフの⽅が圧倒的に待遇が良かったので退職を決意しました。
この社員クチコミを見る >>退職の引き金は、決して一つではありません。「上が詰まっている」というキャリアへの閉塞感、会社のビジョンが見えないことへの不信感、仕事の進行を妨げる人間関係のストレス、そして仕事量に見合わない待遇や評価への根強い不満といった、働く人々の共通の悩みが見えてきます。
転職を検討するタイミング8選
転職を考えるべきタイミングは人それぞれですが、理由によっては考え直したほうが良いケースもあります。ここでは、具体的なケースやOpenWorkのクチコミを交えながら、転職を検討しても良いといえる代表的な8つのタイミングをみていきましょう。
1.心身に不調が表れている
「朝起きられない」や「体調不良が続く」「気分が憂鬱」「出社することに強い不安がある」など、明らかに心身の不調が出ている場合は、転職を検討すべきタイミングです。
責任感が強い人ほど「この程度で辞めてはいけない」と自分を追い込みがちですが、過度な業務負担や人間関係、ハラスメントによる不調は、現職で努力しても必ずしも改善するとは限りません。早めに転職を視野に入れ、場合によっては十分に休養を取ることも大切です。
退職検討理由: ストレスによりうつ病を発症、休職期間を設けていただいたが会社に対する恐怖感が拭えずそのまま離職した。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: ストレスが⾝体に現れてきているため、退職を決意しました。⼀時期はストレスで⾷事が摂れなくなったり、過⾷気味になったりしていました。
この社員クチコミを見る >>専門家アドバイス: あなたの体が発しているSOSは、重要な転機のサインかもしれません。心身の不調は、環境が自分に合っていないことを教えてくれる大切なメッセージです。必要に応じて休職や勤務形態の変更を相談することが大切です。まずは十分な休息を取り、体調を整えながら、新しい環境を求めて転職活動を始めるなど自分に合った職場環境を探していきましょう。
2.ワークライフバランスを保てないと感じた
「残業が多い」「休日出勤が常態化している」など、ワークライフバランスを保てないと感じたときは、転職を検討するタイミングといえます。
ワークライフバランスとは、仕事と私生活を調和させ、人生全体の充実感や満足感を得ることを目指す考え方です。このバランスが崩れると、睡眠不足や疲労の蓄積が起こり、本来のパフォーマンスを発揮できなくなるだけでなく、心身に不調をきたすリスクも高まります。
実際、OpenWorkには以下のようなクチコミが投稿されています。
退職検討理由: 会社に不満はなかったものの、研究職で、化学薬品を扱う仕事が多かったり、⼯場での試作で夜勤とかが多かったため、年を取ってこの⽣活を続けるのは無理があると考えた。また、資格をとって完全に事務職になりたかったため、事務職に転職した。研究職には未練はあったが、何⼗年も続けるのには体⼒的にしんどかった。社名変更したり、社屋や研究所の更新をしているので、作業環境はかなり改善されていると思われる。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: ワークライフバランスを考えた際に調整が難しいと感じたため。営業の担当先次第ではあるが、休⽇での電話対応が発⽣する場合もある。
この社員クチコミを見る >>自分にとって、仕事と生活の調和が図れる環境へ転職を考えることは、前向きで有効な選択肢です。リフレッシュする時間が取れず、生活の質が低下してしまう前に転職を検討しましょう。
3.ライフステージが変わった
結婚、出産、育児、介護など、ライフステージの変化は転職を検討するタイミングです。ライフステージが変わると、これまでと同じ働き方やキャリアアップ、年収アップを目指すのが難しくなる場合があります。
まずは、現職で育休や介護休暇の取得やリモートワークやフレックス勤務などの柔軟な働き方ができないかを相談し、自分や家族にとって最適な働き方を模索することが大切です。それでも働き続けるのが難しい場合は、自分や家族の負担を減らせる職場への転職を検討しましょう。
ワーク・ライフ・バランス: 突然出張になったりするためプライベートの予定を⽴てることが出来ない。出張先を知らせられるのが2週間前などが多くあり、予定が合わず、プライベートを犠牲にするしかない。出張先(仕事内容)によって、4⼈部屋で寝泊りする場合もあり、完全なプライベート空間が無いときもある。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: [⼦育てとの両⽴に厳しさを感じるため]福利厚⽣の充実や育児単⽇数制度により、⼦育てしながら働きやすい環境であると感じるが、CAという職種柄、連泊勤務の際は旦那さんに家事育児を全て任せたり、ファミサポさんや泊まりのベビーシッターさんをフル活⽤するなど、多職種では考えられないハードな育児環境になり得るため。また、覚えることが多く、勤務前の事前準備にも多くの時間を費やさねばならないが、OFFの⽇に⼦どもを⾒ながら勉強するのはとても難しいため。
この社員クチコミを見る >>専門家アドバイス: ライフステージの変化は働き方の優先順位を見直す重要な機会です。まずは現職での制度活用を検討し、それでも両立が難しければ、転職という選択肢も視野に入れましょう。転職先選びでは、制度の有無だけでなく実際の利用状況や職場の理解度も確認することが重要です。自分のライフステージに合った環境を選ぶことは、長期的なキャリア構築のための賢明な判断であり、決して逃げではありません。仕事への情熱を持続させるためにも、自分の生活を大切にする勇気を持ちましょう。
4.「合わない」「聞いていたのと違う」と感じた
会社に入ると、仕事の内容や配属部署が、求人情報や面接時の説明と異なる場合があるかもしれません。実務的な問題だけでなく「何となく雰囲気が悪い」「社風が合わない」「社員のモチベーションが低い」など、入社前にはわからなかった職場環境の問題に直面するケースもあります。
退職検討理由: 企業の将来性を感じなくなった。⾃分⾃⾝が化学メーカの開発という職種が合わないと思った。WLBを保つことができない。⼥性総合職が出産後、職場復帰し、通常業務を担うことが難しいと感じた(単⾝赴任が多く、育児と仕事の両⽴が⼤変困難。実際に総合職で出産後に復帰した開発職の⼥性はわずか。)。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: モチベーションの低いエンジニアと当たってしまい、仕事の偏りが多くなった上、⾃分のモチベーションも落ちてしまい、時間を無駄に感じてしまいました。また、技術に強くない上⻑や営業もいて、状況が理解されずらかったので、良い環境を求めて転職を検討しました。しかし、尊敬できるエンジニアもいるため、様々な現場を⾒ることと相性やタイミングであると感じました。給与の低さや昇給について、やや不明瞭であったこともネックでしたが最近は給与体系を⼤きく⾒直し、明瞭化されました。
この社員クチコミを見る >>このようなクチコミで挙げられた入社前に描いていた仕事のイメージと実際の環境や業務内容のギャップは、入社後比較的早い段階で感じやすく、ストレスになることも少なくありません。本当に今の環境で働き続けられるのかを冷静に考え、このギャップを強く感じる場合は転職を検討しましょう。
5.キャリアアップに行き詰まりを感じた
「昇進や昇給の見込みがない」「上司からの評価が得られない」「上役が詰まっていて昇格の見込みがない」など、キャリアアップに行き詰まりを感じた場合、転職を検討してもよいでしょう。特に成長志向が強い人は、このような環境に身を置き続けることで、自信喪失やモチベーションの低下につながるおそれがあります。
まずは、評価につながる実績を積み上げたり、スキルアップを目指して他部署への異動を検討・申請したりするなど、現職でできる対策を講じることも重要です。それでも思い描くキャリアプランを実現できないと感じた場合、転職を考えるタイミングかもしれません。
退職検討理由: ⼈間関係でのストレスが多く、体⼒的にもきついため、⾃分の健康のためにフルタイムで⻑く続けられないと思ったから。専⾨的な仕事のため、若いうちに転職をしないとつぶしがきかないと思ったから。40代50代のCAと20代のCAが同じ仕事をしているのを⾒て、しごとの限界をイメージできてしまったから。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: キャリアアップが⾒込めず、キャリアが頭打ちになっている感覚が⻑く続いたため
この社員クチコミを見る >>専門家アドバイス: キャリアの成長が止まったと感じたら、まず現職での改善を試みましょう。評価基準の確認や異動申請、新規プロジェクトへの参加など、積極的に行動することが大切です。それでも状況が変わらない場合は、年齢的なタイミングも考慮しながら転職を検討しましょう。転職先選びでは、「具体的なキャリアパスが示されているか」「どんなスキルアップ機会があるか」を必ず確認することが重要です。成長できる環境を選ぶことで、将来的なキャリア停滞を防ぎ、長期的な成長を実現できます。
6.企業の将来性が不安
企業の将来性に不安を感じた場合は、転職を検討する適切なタイミングといえます。経営不振や業績の悪化は、どの企業にも起こり得るリスクです。万が一倒産すれば、給与の未払いなど大きな負担を強いられることも考えられます。
自分のキャリアや生活を守るためにも、企業の動向や将来性を冷静に見極め、必要に応じて早めに行動することが重要です。早期退職者制度などがあれば、活用を検討しましょう。
退職検討理由: 会社の将来性に不安を覚えた。業界も商品もイノベーションがなく市場成⻑なりの発展しか⾒込めない。それでも⽣き続けられる企業かもしれないが、夢を持ってポジティブに仕事を続けることは難しい。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: 同時期に⼊社した⼈たちや、若⼿の社員が次々に辞めていった。それを引きとめもせずに、基本的に⽌めていく⼈間が分かってない・辞めていく⼈に理由を聞くのに全く改善しようとしない、というような⾵潮であった。それを⾒て、この会社に未来を感じなくなったので転職を考えた。
この社員クチコミを見る >>クチコミからは、単なる業績悪化だけでなく、「イノベーションがなく夢を持てない」といった事業内容への停滞感や、「若手が次々辞めていくのに会社が改善しようとしない」という組織体制への不信感が挙げられています。
個人の力では変えられない構造的な問題に対し、自身のキャリアを守るために転職を考えるのは、有効な選択肢の一つとなるでしょう。
7.事業方針の転換、体制の変更
事業方針の転換や組織体制の変更が行なわれると、待遇や仕事内容が大きく変わる可能性があります。これまで積み上げてきたキャリアや専門性から離れることになると、精神的なストレスも大きくなりがちです。
退職検討理由: 度重なる構造改⾰と事業⽅針転換とで、会社の思いと⾃分の思いとに埋められない溝ができたため。⼊社当時に描いていたキャリア形成ができなくなったため
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: 急な⽅針転換とトップの⼊れ替わりで⼈がいなくなってしまい、事業が崩れた。正社員から辞めるか残っている事業をオーナーで⾏うか求められて、辞める選択しか選べなかった。本社内でもなかなか上との連絡はスムーズに⾏えず困惑
この社員クチコミを見る >>待遇の悪化や給与の減少といった私生活に直接影響する変化によって、現職で働き続けることが難しくなるケースもあります。こうした環境の変化は、働く人の価値観やライフスタイルに合わなくなる可能性があるため、自分に合った新たな職場を探すことは有効な選択肢となるでしょう。
8.資格を活せる仕事をしたいと感じた
特別な資格を持っている、あるいは新たに資格を取得したにもかかわらず、現職でその資格を活かせる職種や部署がない場合は、そもそも仕事とのミスマッチが生じている可能性があります。そのまま働き続けてもモチベーションは下がる一方です。
また、働いているうちにほかの職種に興味を持ち、資格を取得するケースもあるでしょう。自分の資格を活かして本当に興味のある仕事に挑戦したいと感じたときは、転職を前向きに検討するタイミングといえます。
退職検討理由: 資格を取得して、それを活かして新しい仕事をしてみたいと考えたため。専⾨性を⾼めて、どこの会社でも通⽤するようなスキルを⾝につけたいと考え、転職を決めた。
この社員クチコミを見る >>退職検討理由: 弁理⼠資格を保有したため、資格を活かした職種につきたいと思い、検討。
この社員クチコミを見る >>専門家アドバイス: 転職を検討するタイミングは、個々の状況によって異なります。自分にとって最適な時期を見極めるために、これらのサインをしっかりと把握しましょう。クチコミも活用し、同様のケースを知ることで、自分の状況を客観的に見つめる材料にもなります。まずは情報収集から始め、冷静に判断し計画的に行動しましょう。
気を付けたい転職タイミング4選
転職は前向きなキャリア形成の一歩ですが、タイミングによっては思わぬトラブルや負担につながるため注意が必要です。ここでは、避けたほうが良い転職の時期・タイミングを解説します。
1.繁忙期の転職
繁忙期は業務量が増え、職場全体が忙しくなるため、転職は避けたい時期です。引き継ぎや書類の準備など、通常よりも多くの手間がかかるうえ、周囲への負担も大きくなります。特に繁忙期の真っ只中に転職すると、同僚や上司に迷惑がかかり、非常識と思われてしまうでしょう。
そもそも自分自身も忙しいため、十分な転職活動ができないことも考えられます。その結果、納得のいく転職先が見つけられなければ本末転倒です。繁忙期前後で区切りをつけて、早めにスケジュールしておきましょう。
2.自分のかかわっているプロジェクトが進行中での転職
自分が担当しているプロジェクトが進行中の場合、その途中で転職するのは避けたほうがよいでしょう。プロジェクトの完了前に退職すると、チームや取引先に迷惑がかかるだけでなく、転職先でも「責任感がない」とみなされるおそれがあります。プロジェクトを最後までやり遂げてから転職したほうが、次の職場でも信頼を得やすくなるでしょう。
やむを得ずプロジェクトを途中で離れることになった場合も、引き継ぎなどをしっかりと行ない、けじめをつけてから退職することが大切です。
3.11月~12月の転職
11月から12月は、年末調整や賞与支給などで人事や経理部門が特に忙しい時期です。この時期に退職すると、退職に必要な書類の作成や手続き、離職票や源泉徴収票の発行が遅れることもあり、担当者に余計な負担をかけてしまいます。
また、求人数も減る傾向があるため、転職活動自体も難航しやすい時期です。スムーズな退職と転職を実現するためにも、この時期は避けるのが賢明といえるでしょう。
4.転職の目的が曖昧な段階での転職
転職の目的がはっきりしていないまま行動に移すのは避けるべきです。「上司と合わない」「何となくつまらない」といった曖昧な理由では、転職先でも同じ悩みを繰り返す可能性があります。
まずは現状の改善策を探り、状況を変えられないか考えてみることが必要です。どうすれば前向きに業務に取り組めるか、自分が本当にやりたいことは何なのか、どのような環境で働きたいのかなど、深く考えたうえで、本当に転職する必要があるのかを見定めましょう。
【年代別】転職を成功させるポイント
転職を成功させるためのポイントは年代ごとに異なります。ここでは20代・30代・40代の各年代別に、転職活動で押さえておくべきアピール方法や成功のコツをご紹介します。
20代の転職を成功させるポイント
20代では、新卒3年以内の「第二新卒」が比較的転職をスムーズに進められる傾向があります。社会人としての基本的なマナーやビジネススキルを身につけている点、柔軟性の高さが評価されやすいからです。キャリアチェンジもしやすく、未経験の業界や異業種への転職も比較的かなえやすいでしょう。
ただし「またすぐに辞めてしまうのではないか」と思われないよう、明確なキャリアプランや転職理由を語れるようにしておくことが重要です。年収アップや待遇面の向上も目指しやすい時期ですが、20代前半と後半でアピールポイントは異なります。
20代前半は将来性やポテンシャルを重視されるため、「興味がある」「挑戦したい」という積極性や成長意欲を前面に出すことが成功のカギです。一方、20代後半では社会人経験や実務経験、身につけたスキルや実績も評価対象となります。そのため、これまでの経験をしっかりと自己分析し、どのように新しい職場で活かせるかを具体的にアピールすることが大切です。
30代の転職を成功させるポイント
30代の転職は、これまでの経験やスキルを活かせる求人を見つけたタイミングで動くのが理想です。企業側は即戦力を求める傾向が強いため、キャリアの棚卸しをしっかりと行ない、どの分野でどのように貢献できるかを明確にしておきましょう。転職理由や今後取り組みたいことを整理し、5年後・10年後のキャリアビジョンを描くことで、応募先とのミスマッチも防げます。
また、30代は結婚・育児・介護などライフステージの変化をきっかけに転職を考えるケースも多い年齢です。仕事内容だけでなく働き方や評価制度、年収、福利厚生など幅広い視点で情報収集を行ない、自分に合った職場を選ぶ必要があります。リーダー経験や部下・新人指導の実績があれば、マネジメント力や教育力を積極的にアピールしましょう。
特定の業界や条件にこだわりすぎず、譲れない条件と妥協できる条件を整理し、柔軟に選択肢を広げることも転職成功のポイントです。転職エージェントや専門サイトの活用も有効で、応募書類や面接対策などプロのサポートを受けることで、より良い転職先と出会いやすくなります。自分の強みと希望を明確にし、中長期的なキャリア設計を意識して転職活動に臨みましょう。
40代での転職を成功させるポイント
40代の転職は年齢が上がるにつれて難易度が高くなりますが、これまでの経験や実績を活かせるポジションであれば十分にチャンスがあります。企業はこの年代の転職者に即戦力やマネジメント力を強く期待しており、部下や後輩の育成経験、組織運営にかかわった実績などを具体的にアピールすることが重要です。特に、管理職候補や経営層に近いポジションで採用されれば、待遇アップも十分に狙えます。
一方で、十分なスキルや経験がなければ、これまでと同じ待遇や労働条件での転職が難しくなる可能性もあります。そのため、どのように転職先企業に貢献できるかを明確に伝える準備が欠かせません。また、40代はライフスタイルや家族の状況が変化しやすい時期でもあるため、仕事内容だけでなく、働き方や評価制度、年収、福利厚生など多角的に情報収集し、ミスマッチを防ぐことが大切ですS。
OpenWorkのような実際に働く社員のクチコミを確認できるサイトを活用し、企業のリアルな情報を集めることもおすすめです。
専門家アドバイス: 自分のステージに合った戦略を立て、計画的に行動することが転職成功の鍵です。20代はポテンシャル、30代は即戦力、40代はマネジメント力などが求められます。年代ごとの強みを理解し、自分の強みを的確に伝える準備も必要です。様々な視点からの情報収集やクチコミの確認で自分に合ったタイミングを見極めましょう。転職市場の動向も把握しながら、長期的視点でキャリアを設計しましょう。
【タイミング別】転職時に気を付けるポイント
転職を考える際には、結婚・出産・育児・介護などのライフイベントのタイミングごとに押さえておきたいポイントがあります。また、ボーナスや昇給の直前といったタイミングでの転職にも注意が必要です。ここでは、タイミング別に気を付けるべきポイントをみていきましょう。
ボーナス・昇給のタイミングでの転職
ボーナスの支給要件を満たしていれば、ボーナスを受け取ってから転職しても問題はありませんが、退職希望を伝えるタイミングはボーナス支給後がベストです。
例えば、6月にボーナスが支給される場合、6月にボーナスを受け取ったあとに退職の意思を伝え、7月に引き継ぎ、8月に新しい職場に入職する流れが理想的です。同様に12月支給の場合は、12月にボーナスを受け取ってから退職の意思を伝え、1月に引き継ぎ、2月に転職先へ入職するのがよいでしょう。

ただし、求人数が最も多くなるのが1月、2月、10月ということもあり、ボーナスに固執しすぎると転職のタイミングを逃してしまう可能性もあります。現職の繁忙期や自身の転職活動のスケジュールも考慮しながら、ボーナスを獲得しつつ、求人数が多い時期を狙って転職活動を進めましょう。
結婚、出産のタイミングでの転職
転職のタイミングが結婚・出産の前か後かで、注意すべきポイントは変わるため、それぞれのメリット・デメリットを把握しておくことが必要です。
結婚前に転職する場合は、仕事に慣れる時間を持てるため、新しい生活と仕事の両立イメージがしやすく、選べる職種や企業の幅も広がります。ただし、転職直後に結婚や出産準備が重なると、生活と仕事の両立が難しくなり、ストレスが増えるおそれもあります。「結婚の予定があるのに転職してきたの?」といった周囲の目が気になることもあるでしょう。
一方、結婚後に転職する場合は、新しい生活リズムに合わせた職場を選びやすく、ワークライフバランスを整えやすいメリットがあります。しかし、転職先が決まらず収入のない期間ができると生活の不安に直結します。また、産休は取得できても、育休は入社1年以上でないと取得できない企業もあるため、出産前後の転職には注意が必要です。
育児、介護が必要となったタイミングでの転職
育児、介護と仕事を両立させるには、従来の働き方では難しい場合も多いため、リモートワークやフレックスタイム制、時短勤務制度など、柔軟な働き方ができる転職先を検討してもよいでしょう。
ただし、制度があっても実際に利用している人が少なく、形だけになっているケースもあるため、利用状況を事前に確認することが重要です。また、定時で帰宅しやすい部署に職種転換するなど、働き方を見直すのも一つの方法です。
夫婦の場合、育児や介護は協力し合いながら進める必要があります。家族で役割分担を明確にし、家庭と仕事を両立できる環境が整った転職先を選びましょう。
ワーク・ライフ・バランス: フレックスタイム制でコアタイムがないため、⾃由に働く時間を決めることができ。プライベートとのバランスを調整しやすい。育児に関しても理解がある上司が多く、急な看護が必要となった際には休むことができる。上司の業務の割り振りがうまくいっておらず、忙しいひととひまなひとの差が⼤きいと思う。
この社員クチコミを見る >>ワーク・ライフ・バランス: 部署によるが、フレックスタイム制を導⼊している場合は、かなりフレキシブルな勤務が可能になるため、⼈によってはかなり働きやすく感じる。業務調整をすれば有給も気兼ねなく取れるし、消化率100%も可能。⼀⽅部署によっては、朝9時から朝礼を⾏い、満員電⾞に揺られ辟易した状況も⾒られる。また⼈員と業務量のバランスがうまく取れていない部署もあり、業務時間が⻑い⼈もいる。また有給を取る気がない⼈もいて、その⼈の元で働くとやはり有給は取りづらい。部署はほとんど運で決まるため、これも運である。
この社員クチコミを見る >>専門家アドバイス: 育児や介護との両立を考えて転職する場合、制度の有無だけでなく「実際の利用率」や「職場の理解度」を確認することが不可欠です。面接やOB・OG訪問で制度利用の具体例を尋ねると、現場の実態が把握しやすくなります。また、業務量や部署ごとの風土差も考慮し、配属先に左右されにくい企業体制かを見極めましょう。家庭と仕事のバランスを安定的に保てる環境を選ぶことが、長期的なキャリア維持の鍵になります。
家や車など大きな買い物をするタイミングでの転職
家や車を購入するなど、ローンを組む予定がある場合は、購入後に転職するのが安心です。金融機関は、住宅ローンや自動車ローンの審査時に現職の勤続年数を重視します。そのため、転職直後に申し込んだ場合、評価が低くなり、審査に通らなかったり希望する金額を借りられなかったりするおそれがあります。そもそも転職して1年未満の人は、ローンに申し込めないケースも少なくありません。
また、ローンを組めたとしても毎月の支払いが発生するため、前職を離職してから転職先に入職するまでのブランクがないよう、計画的に転職活動を進めることも大切です。安定した収入と勤続年数を確保したうえで、大きな買い物と転職のタイミングを調整しましょう。
まとめ:転職は採用活動が活発な時期と自分のタイミングをうまく合わせてスタートしよう
転職活動を始めるベストなタイミングは、求人が多くなる1月、2月、10月です。特に20代は転職者が多く、第二新卒としての需要もあるため有利に転職できる時期といえます。
繁忙期など周囲に負担がかかる時期の転職は避けるべきですが、「今だ」と思えるタイミングを逃さずに行動することも必要です。「自分の条件に合う求人を見つけた」「クチコミを見て興味を持った」など、チャンスや良いタイミングがあれば積極的に行動しましょう。
また、転職活動ではOpenWorkなどのクチコミサイトを活用し、企業のリアルな情報を集めて判断することも大切です。ぜひ参考にしてみてください。
専門家アドバイス: 転職は、人生を前進させる大切な一歩です。年齢に関係なく、自分らしい働き方や理想のキャリアを実現するチャンスが待っています。重要なのは、焦らずしっかり準備をすることです。自分の価値や可能性を信じて、計画的に行動を進めましょう。新しい環境に向けての挑戦は不安も伴いますが、それを成長の機会と捉え、積極的に挑戦してください。その過程において自分に合った道を見つけ、充実したキャリアを築くことができるでしょう。
専門家プロフィール
栗原深雪
■資格
社会保険労務士
産業カウンセラー
キャリアコンサルタント
■プロフィール
一般企業、行政機関の総務・人事部に17年従事後、2014年、社会保険労務士登録、2016年独立開業。中小企業の人事労務の手続き・労務トラブルへの相談対応だけでなく、産業カウンセラーとして、育児・介護・病気治療と仕事との両立支援やハラスメント、メンタルヘルスの外部相談窓口対応など、労働者がいきいきと楽しく仕事ができる環境を整備するための支援に力を入れている。神奈川産業保健総合支援センター メンタルヘルス対策・両立支援促進員として、休職者や休職者を支援する企業にアドバイスを行っている。