20代の転職事情から成功のポイント、20代ならではの悩みや転職の流れまでを解説

この記事で分かること

  • 20代が転職をしたい理由は賃金や労働条件、自分に合った仕事に変わりたいが上位
  • 20代前半は可能性、後半は経験やスキルが重視される傾向にあるため、自分の年齢に合わせたアピールが重要
  • 20代は初めての転職となるケースが多いため、転職エージェントをはじめとする支援サービスや複数の転職サイトを利用するのがおすすめ

現在、20代で転職することは珍しくなく、約30%が転職を考えているというデータもあります。転職にはメリット・デメリットがありますが、第二新卒枠での転職が可能であること、ポテンシャル採用の対象であることなど、20代での転職には30代以降とは異なる特徴があります。
20代の転職事情を把握し、20代に合った戦い方をすることが、転職を成功させるポイントです。

監修者からのファーストアンサー: 20代での転職は「早すぎる」というわけではなく、20代ならではの強味やポテンシャルをアピールしたり、市場調査や業界研究をするなど戦略的に行動することで、転職を御自身のキャリアにプラスに働かせることも十分に可能です。

【データで見る】20代の転職事情

20代は、これからのキャリア形成に向け、自分の働き方について考える時期です。まずは20代の転職事情を知るために、厚生労働省が公開している「令和5年若年者雇用実態調査」から、転職希望者の割合や転職したい理由を紹介します。

20代で転職を希望する人は30%超え

「令和5年若年者雇用実態調査」によると、「転職したい」と考えている正社員の割合は、20代前半(20~24歳)で35.0%、20代後半(25~29歳)で33.4%に達しています。しかし、20代は経験やスキルが浅い段階であるため、転職が成功するか不安を感じている人もいるでしょう。

厚生労働省「令和5年雇用動向調査」によると、2023年の転職入職率は10.4%でした。年齢階級別で見ると、20代前半が15.6%(男性:14.6%、女性16.5%)、20代後半が17.3%(男性:15.6%、女性19.1%)でした。

この割合は、30歳以降の各年齢階級と比較しても最も高く、キャリアを重ねた年代よりも、20代での転職割合のほうが高いことがわかります。

参照:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」「令和5年雇用動向調査の概況

20代が転職をしたい理由の1位は賃金の条件

20代はどのような理由から転職を考えるのでしょうか。「令和5年若年者雇用実態調査」によると、転職したい理由の上位(複数回答)は以下のとおりでした。

  • 男性20代前半
    1位は「賃金の条件がよい会社にかわりたい」で64.6%を占めました。次いで、2位は「仕事が自分に合った会社にかわりたい」が44.7%、3位は「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」が42.4%でした。
  • 男性20代後半
    1位は「賃金の条件がよい会社にかわりたい」で60.6%でした。2位は「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」で42.1%、3位は「自分の技能・能力が活かせる会社にかわりたい」で41.1%という結果でした。
  • 女性20代前半
    1位は「賃金の条件がよい会社にかわりたい」で60.3%でした。僅差の2位は「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社かわりたい」で59.8%、3位は「仕事が自分に合った会社にかわりたい」で54.1%でした。
  • 女性20代後半
    1位は「賃金の条件が良い会社にかわりたい」で58.6%でした。2位は「労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい」で48.0%、3位は「仕事が自分に合った会社にかわりたい」で38.8%でした。

参照:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況

性別・年齢で共通して転職希望理由の1位に挙げられたのは、賃金の条件でした。続いて、労働条件や、自分に合った仕事、スキルを活かせる仕事を希望している人が多いことがわかります。

20代が転職を迷う理由と対処法5選

転職を希望していても、実際に転職をするか迷うケースもあるでしょう。ここからは、20代が転職を迷う理由として5つを挙げ、それぞれについて解説します。

1.初めての転職活動に対する漠然とした不安

20代での転職は「転職活動」自体が初めてというケースが多く、何をすれば良いかわからない人もいるでしょう。また、転職活動をすることで上司に咎められるのではないか、本当に退職させてくれるのかなど、さまざまな不安が押し寄せるかもしれません。

しかし、転職活動は手順を理解して取り組めば、何も不安がる必要はありません。必要に応じて転職エージェントなどプロの力を借りれば、スムーズに転職活動を進められます。

2.自分の経験やスキルが転職市場でどう評価されるか不安

20代の転職では、自分の知識やスキルがどう評価されるのかわかりにくいことも、不安の要因となります。「転職市場で通用するのか」「専門的な資格やスキルがなく、アピールの仕方がわからない」などと、多くの人が考えてしまいがちです。

しかし、現在の転職サイトのなかには、求人応募以外に、企業からスカウトを受けられる仕組みを設けているところもあります。自分の市場価値がどの程度なのか不安に感じたのなら、転職活動を始める前に複数の転職サイトに履歴書を登録し、どのような企業からスカウトが届くのかを見るのも一つの手です。

OpenWorkでも、履歴書の登録をすることで企業からのスカウトが届くようになっています。

3.今の職場よりも環境が悪くなることへの不安

転職すれば、職場での人間関係を0から構築しなければなりません。転職先での職場環境や人間関係が、今の環境よりも悪化するかもしれないことに不安を感じる人も多いでしょう。

その不安を解消するのに役立つのがクチコミサイトです。OpenWorkでは、社員・元社員のリアルなクチコミを閲覧できます。そこから職場の環境を推測できるため、不安の払拭につながるでしょう。

4.短期的な転職に対する世間の評価への不安

「石の上にも3年」ということわざがあるように、日本では辛抱強く頑張ることが良しとされる風潮があります。そのため、短期間で転職をすることに対する、世間の評価が不安になる人もいるでしょう。特に、短期間で転職を繰り返す人は「ジョブホッパー」と呼ばれ、定着しづらい人材と評価されるリスクもあります。

しかし、確固たる目的を持った転職であれば、短期間の繰り返しであっても正当に評価されます。世間の評価を良いものにするためにも、転職する目的を明確にしておくことが重要です。

ジョブホッパーとは?意味・特徴・リスク・成功する転職術まで徹底解説

5.20代後半の「第二新卒」扱いでないことへの不安

大学卒業後、数年以内の転職であれば「第二新卒」として、ポテンシャルなどを評価されることもあります。しかし、20代後半になると第二新卒とは扱われなくなるため、仮に転職をするとしても「今の職場でもっと経験を積んでからの方が良いのではないか」と悩むこともあるでしょう。

しかし、第二新卒から外れたからといって、転職活動で不利になるわけではありません。転職市場は、基本的に需要と供給で成り立っています。培ってきた経験やスキルを活かせる職場を探せば、転職を成功させられる可能性は十分にあります。

20代で転職するメリットとデメリット

20代の転職には、メリットもあればデメリットもあります。転職活動を始める前に把握しておき、転職の意思が固まってから転職活動に取り組みましょう。

20代で転職する4つのメリット

20代で転職するメリットは、将来の可能性を拡げられることにあります。具体的には以下の4つです。

収入アップの可能性がある

20代は、まだ仕事で大きな実績を残していなくても、今までのスキルや経験を活かして転職(キャリアアップ)すれば、収入を上げられる可能性があります。

現在の職場で収入アップが見込めない場合には、転職が有効な手段です。また、業界や職種を変えることで、収入を上げられる可能性もあります。

厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」によると、転職入職者のうち賃金が増加した割合は、20代前半で52.3%、20代後半で44.4%となっており、「変わらない」「減少」を上回っています。このことからも、20代の転職での収入アップは十分期待できるでしょう。

参照:厚生労働省「令和5年雇用動向調査の概況

未経験の仕事にも挑戦しやすい

20代はキャリアの初期段階にあるため、未経験の仕事にも挑戦しやすい年代です。今の仕事が自分に合っていないと感じる人は、転職により適性のある仕事が見つかる可能性もあるでしょう。

また、20代はポテンシャル採用も多く、転職者の柔軟性や意欲が評価されやすい年代でもあります。そういう点でも、キャリアの方向性を変えることは問題になりにくいでしょう。

新たなスキルを習得できる

未経験の業界・職種への転職は、新たなスキルを習得するチャンスです。20代は物事を覚えるスピードが速い傾向にあるため、転職によりスキルセットを拡充できれば、自己成長を実現できます。

また、転職によりキャリアの幅が広がることで、将来的なキャリアアップにつなげられることもメリットです。

新たな人脈を構築できる

新しい環境で、新たな人脈を構築できることも転職のメリットです。自身と異なる価値観の人に出会うことで、視野が広がるだけでなく、新たなビジネスチャンスに恵まれる可能性もあるでしょう。

また、有力な人脈を持つことで、次のキャリアアップにつながる可能性もあります。転職先で得られた人脈は、将来的に大きな資産となるでしょう。

20代で転職する2つのデメリット

20代の転職はメリットばかりではなく、デメリットもあります。転職したことに後悔することのないよう、デメリットについても理解しておきましょう。

収入が下がる可能性がある

「令和5年雇用動向調査」によると、20代前半の20.9%、20代後半の22.3%は転職により収入が下がっており、1割以上下がった人は20代前半で11.3%、20代後半で14.4%でした。

転職により収入が下がる要因には、経験の浅さが挙げられます。

特に、未経験の業界・職種に転職する場合にはスキルがない状態のため、一時的に収入が下がる可能性はあるでしょう。そのため、将来的なキャリアアップを考えて、転職を判断する必要があります。

また、経験が浅いことから市場評価と自己評価に乖離が生じ、希望する収入に達しないこともあるでしょう。転職は必ずしも収入アップにつながらないことを認識しておく必要があります。

参照:厚生労働省「令和5年雇用動向調査の概況

スキルが伸びない可能性がある

スキルや経験は短期間で身に付くものではないため、転職したからといって、必ずしもスキルが伸びるとは限りません。特に短期間で転職を繰り返していると、スキルは中途半端なものとなり、それ以降の転職が厳しくなります。

20代前半は初めての社会生活を体験し、スキルや経験を積んでいくフェーズです。そのため、短期間での転職によりスキルが伸び悩んでしまうリスクがあります。

専門家アドバイス: 20代ではまだご自身の長期的なキャリアプランを具体的にイメージしにくいかもしれませんが、20代での転職は新たな可能性を広げやすいともいえます。転職を成功させるために、デメリットとなる面も含めて十分な情報収集を行い、想定外の状況にも方針転換や戦略の練り直しができるような柔軟な心構えをもって挑んでください。

20代の転職を成功させるために知っておきたい5つのポイント

20代の転職を成功させるには、20代の求職者に対する企業の採用基準や考え方を知り、対策を立てる必要があります。おもに以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

1.20代前半は可能性・後半はスキルや経験を重視する傾向にある

20代前半のうちは、第二新卒として扱ってくれる企業が多くあります。企業側は今後の可能性や成長性を重視するため、一般的にスキルや経験に対して多くを求めていません。

しかし、20代後半になると、会社に貢献できる人材かどうかを判断するために、実務的なスキルや経験を重視するようになるのが一般的です。

「自分にはスキルがない」と感じているなら、数字で表せる実績をあげたり、資格(簿記やTOEICなど)を取得したりするといった方法で、対外的に評価できるものを積み上げていくのが大切です。

2.採用する企業側の視点を理解する

20代の転職では、企業の採用判断における視点が、新卒のときと異なることも理解しておく必要があります。「令和5年若年者雇用実態調査」によると、若年正社員の中途採用者における採用選考にあたって、重視したポイントの上位は以下のとおりでした。

  • 「職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神」:72.7%
  • 「コミュニケーション能力」:66.9%
  • 「マナー・社会常識」:58.1%
  • 「業務に役立つ職業経験・訓練経験」:42.3%

上位3項目は新卒採用と一致していますが、「業務に役立つ職業経験・訓練経験」については、新卒(14.7%)よりも大幅に上昇しています。データには30~34歳も含まれていますが、中途採用者に対してはスキルや経験を求める企業が多いという結果になりました。

このような企業側の視点を理解しておくことで、自分に不足している点や、面接でアピールできる点がわかるようになります。

参照:厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況

3.転職のゴールを決める

転職活動は自分のペースで進められますが、計画を立てないと長引く原因になります。活動を始める前に、いつまでに転職を成功させたいのかを決めましょう。

厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」によると、転職活動を始めてから直前の勤務先を離職するまでの期間の上位は、20代前半では「1か月以上3か月未満」29.9%、「1か月未満」18.3%、「3か月以上6か月未満」13.8%でした。

一方の20代後半では「1か月以上3か月未満」29.2%、「3か月以上6か月未満」16.6%、「1か月未満」20.1%と、20代では転職活動を始めてから1~3ヵ月で前職を離職している人が多くなっています。転職の計画を立てる際の参考としてみるとよいでしょう。

参照:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況

4.キャリアプランを作成する

理想のキャリアを実現させるために作成する中長期的な計画を、キャリアプランといいます。転職活動で、自分に合う企業を見つけるには、明確なキャリアプランが必須です。自己分析が不十分な段階ではキャリアプランが曖昧になりやすく、転職の軸もぶれてしまいます。

キャリアプランを設定する際に重要なのは、「30歳で部署内のリーダになる」のように具体的な数字を用いることです。時期を明確にすることで、それまでにどのような経験やスキルを積むべきかの道筋が見えてきます。

キャリアプランは面接で質問されることもあるため、他者に説明できるようにしておきましょう。

5.OpenWorkを利用する

OpenWorkは、国内最大級の社員クチコミと給与データを保有している、転職・就職のための情報プラットフォームサイトです。在職経験のある社員によるクチコミが見られるため、企業が自分に合っているかを判断する際の材料になります。

Web履歴書を登録すると、スカウトメールの受け取りや求人への応募ができるようになります。ぜひ活用してみましょう。

まずは無料ユーザー登録(1分)

専門家アドバイス: 転職はゴールではなく、キャリア形成の一つのステップです。目先の条件だけでなく、3年後、5年後に自分がどうなっていたいかを考え、それに繋がる選択肢が何なのかを考えましょう。転職活動の具体的な進め方や方策が浮かばない場合は、家族や先輩、キャリアコンサルタントや転職エージェントなどからアドバイスをもらうことも非常に有効です。

【ステップ別】20代転職の流れ4つのステップ

転職するうえでは「現状に不満があるのでとりあえず」ではなく、転職の目的を明確にすることが大切です。自身の経験の浅さを不安に感じるかもしれませんが、特に20代前半ではポテンシャルが大きな武器となります。20代であることを活かして転職を成功させるために、転職の流れを理解しておきましょう。

STEP1.事前準備を行なう

まず、準備として自己分析を行ない、転職をするうえで重視するポイントを把握しましょう。そして、企業分析や業界分析を行ない、転職の具体的なスケジュールを決めていきます。
また、準備と併せてOpenWorkに登録をしておくと、情報収集がスムーズに行なえます。

自己分析とキャリアの棚卸しをする

転職で自分に合った仕事や働き方を叶えるには、自分が「将来どうなりたいか」のビジョンを明確にする必要があります。そのために必要なのが、自己分析とキャリアの棚卸しです。

特に20代では、「どのような働き方をしたいか」「どのような環境で成長したいか」といった、20代ならではの価値観を深堀りすることが大切です。以下のポイントを参考にして、自分のビジョンを明確にしていきましょう。

  • これまでの実績や身に付けたスキル、得意なこと
  • 仕事をするうえで心がけていること
  • 気持ち良く働けると思う環境の条件
  • 仕事で重視したいこと

OpenWorkに登録する

事前準備と並行して、国内最大級の社員クチコミを閲覧できるOpenWorkへの登録も進めましょう。

OpenWorkでは、企業の在籍社員・元社員が、入社した理由や退職した理由などのリアルなクチコミを見ることができます。そのため、自分がどのような道に進むべきなのか、転職の軸を考えるきっかけになります。

転職の軸を決める

転職を成功させるには、転職先を選ぶうえで自身が最重要視する条件である「転職の軸」が不可欠です。転職の軸を決めることは、ミスマッチの防止に役立ちます。
就職活動の反省点を活かし、今度こそ譲れない条件を明確にして転職に臨みましょう。

また、転職の軸は企業選びだけでなく、面接対策にも有効です。面接で必ず聞かれる志望動機を答える際、転職の軸が明確であれば、一貫したアピールや受け答えができます。

業界・企業研究をする

社会人経験の浅い20代では、知名度の高い会社しか知らない人もいるでしょう。理想の働き方を実現するには、転職先は必ずしも大手や有名企業である必要はありません。BtoB企業や成長中のベンチャー企業など、魅力的な企業は数多くあります。

年収や求人情報から読み取れる情報だけではなく、「社風が自分に合うか」「若手が活躍できる環境か」といった、20代にとって気になるポイントを重点的に見ていくことをおすすめします。

そのためには、OpenWorkのようなサイトやSNSも活用して、企業研究の参考にしましょう。

転職活動のスケジュールを決める

初めて転職活動をする20代にとっては、働きながらの転職活動は大変と感じる人もいるでしょう。在職中の転職活動をスムーズに進めるには、スケジュールを決めることが大切です。いつまでに転職するかを決め、そこから逆算して計画を立てていきます。

また、終業後の時間や休日を活用することもポイントです。なかには在職中の転職活動に配慮した選考を実施している企業もあるので、必要に応じて確認してみるとよいでしょう。また、転職準備には、スキルアップや息抜きの時間を設けることも大切なため、計画に盛り込んでおきましょう。

転職活動をしていることは、一般的には上司や同僚には相談しないほうがスムーズに進められます。しかし、信頼できる先輩や元上司などであれば、有効なアドバイスを受けられる可能性もあります。困ったときは、相談することも検討してみましょう。

STEP2.書類を作成し応募する

転職活動の軸やスケジュールを決めたら、次は書類作成と応募です。

実績が少ない20代では、書類作成に不安を感じる方もいるでしょう。ただ、20代の転職で企業の担当者がおもに見ているのは、成長意欲や自社への適性、素直さです。実績よりも、これらを意識して作成するとよいでしょう。
なお、誤字脱字や「御中・様」「貴社・御社」などの言葉の正しい使い分け、書類不備などをすると、社会人としての基本ができていないと見なされやすいため、書類作成時には細心の注意を払ってください。

履歴書を作成する

履歴書の自己PR欄は、自身の成長意欲や企業への適性、強みなど示すため、できるだけ具体的に記述するようにしましょう。経験が浅くても、「学生時代の経験(リーダーシップ、課題解決など)」や「これまでの仕事で工夫したこと」などであれば書けるはずです。

資格欄は、取得予定の資格や勉強中の資格もアピール材料になるため、必ず記入しましょう。趣味・特技欄も、企業の社風や求める人物像に合わせて工夫して書くと、個性のアピールに役立ちます。

職務経歴書を作成する

職務経歴書とは、自分の職務経験やスキル、能力をアピールするためのものです。「どのような業務を担当したか」だけでなく、「その経験から何を学び、どのようなスキルが身に付いたか」を具体的に記述しましょう。

数字で示せる実績が少なければ、「業務改善の提案」「チームへの貢献」などを取り上げ、数値化する代わりに、具体的な行動と結果を盛り込んで書くのがおすすめです。

履歴書・職務経歴書を添削してもらう

20代は社会人経験が浅いため、応募書類がうまく書けているのか不安な人も多いでしょう。書類は、客観的な視点での添削を受け、ブラッシュアップを行なうことで完成度を上げられます。

応募書類の添削は、ハローワークや転職エージェントに依頼可能で、そのほか信頼できる先輩社員などに依頼するのもおすすめです。卒業大学によっては、卒業後一定期間はキャリアセンターを利用できる場合があるため、そちらに添削を依頼してもよいでしょう。

添削してもらう際は、「20代の強みを活かせているか」「企業の求める人物像に合っているか」といった視点でも見てもらうよう依頼するのがポイントです。

添削サービスによっては、オンラインで手軽に利用できるものもあります。できるだけさまざまな人から添削を受けられるよう、確認してみましょう。

OpenWorkに履歴書を登録する

OpenWorkに履歴書を登録すれば、求人応募ができるようになるほか、企業からスカウトを受けられるようになります。履歴書登録によるスカウトは、転職市場における自分の市場価値を知るのに役立つうえ、思わぬ優良企業との出会いにつながる可能性があります。OpenWorkの登録後は、社員クチコミの閲覧だけでなく、履歴書登録も行なっておきましょう。

OpenWorkへの履歴書登録は選考対策としても有効です。企業からのオファー内容を見て、「自分のどのような経験やスキルが評価されているのか」を分析すれば、自己PRに活かすことができます。

また、OpenWorkの直接応募機能は、エージェントを介さずスピーディーに選考へ進めるというメリットがあります。興味のある企業は「気になる」ボタンを押してリスト化しておくと、効率的に情報収集や応募管理ができます。

応募する

応募書類を準備したら、いよいよ企業への応募を始めます。このとき、多くの企業に応募するのではなく、自分の転職の軸に合う企業に絞って応募することが大切です。

転職活動では、複数の選考を並行して受けるのが一般的なため、スケジュール調整が重要です。スプレッドシートなどを活用して、応募や選考状況を一覧にしておくと、スケジューリングをやりやすくなります。

また、企業からの連絡を見逃さないよう、メールのチェックは定期的に行ないましょう。重要なメールはフラグをつけ、予定はカレンダーアプリなどと連携しておくと、見逃しや対応漏れを防止できます。

なお、転職活動では不採用を通知する「お祈りメール」はつきものです。選考落ちが続いても落ち込まず、通過しなかった理由を振り返り、次へ活かしていくようにしましょう。

特に20代前半での転職や未経験分野への転職の場合は、ポテンシャルを評価してくれる企業に積極的に応募する勇気も持ちましょう。

STEP3.面接対策・面接を受ける

面接は試験ではなく、企業に自分をアピールして相互理解を深める場です。20代の転職では短期離職を警戒されるため、キャリアプランの実現に転職が必要であることを、ストーリーとして明確に語れるようにしておきましょう。

20代ならではのフレッシュさや熱意、素直さを武器にして、自信を持って臨むことも大切です。特に、次の4点については、対策を万全にしておきましょう。

服装や身だしなみを整える

面接では、基本的なビジネスマナーに加え、「清潔感」と「TPOに合わせた適切な服装」が選考に影響します。

私服を指定された場合は、社外の人との面接を想定したビジネスカジュアルとするのが基本です。スーツではなく、襟付きのシャツにジャケットを羽織るとよいでしょう。カジュアルな服装を指定された場合は、社内でのデスクワークに適したオフィスカジュアルが基本です。私服といえども、派手な格好やラフな格好は適しません。ビジネスシーンであることを意識して服装を選びましょう。

服装だけでなく、髪形や爪、靴、カバンなど細部まで整えることで、「細やかな気配りができる人物」という印象につながります。

近年は、面接がオンラインで行なわれる場合もあるでしょう。その際は、何らかのトラブルで下半身が映る可能性もあるため、カメラに映る上半身だけでなく、全体の身だしなみに気を抜かないことが大切です。

想定される質問に答えられるよう準備しておく

面接対策では、一貫性を持ってスムーズに受け答えできることが大切です。想定される質問には、あらかじめ回答を準備しておきましょう。

自己PRでは、ポテンシャルや学習意欲を盛り込むことが重要です。志望動機では企業理念や事業内容への共感を示し、応募会社でなければならない理由と入社して何をしたいのかを、自分の言葉でアピールします。経験の浅さは、「〇〇の経験で培った〇〇力は貴社で活かせる」のように、ポテンシャルと結び付けることでカバーしましょう。

注意したいのが転職理由です。ネガティブな理由はそのまま伝えるのではなく、どのように改善したいから転職に至ったかを説明します。20代であれば、キャリアアップを転職理由にすることも有効です。

質問したいことをリストアップしておく

面接では、最後に面接官から「何か質問したいことはありますか?」と問われることが一般的です。このような逆質問では、調べればわかることや待遇に関する質問をしたり、何も質問しなかったりするのはNGです。「若手社員のキャリアパスやジョブローテーション」「入社後の研修制度」「チームの雰囲気や新人のフォロー体制」など、入社後をイメージさせる内容で、入社意欲の高さや企業への関心度を示すことがポイントです。面接官からの回答で、自分に合う会社かどうかも判断できます。

なお、面接官の役職や立場に合わせて質問内容を変えると、より深い話が引き出せる可能性があります。質問は複数のパターンを考えておきましょう。

模擬練習をする

面接では、求職者の言動や態度もチェックされます。言動や態度のクセに自身で気付くのは難しいため、模擬面接で他者に確認してもらうのがおすすめです。

話す内容だけでなく、声のトーンやスピード、表情などの話し方や態度などで好印象を与えられるかを、第三者にチェックしてもらいましょう。友人や家族だけでなく、転職エージェントのキャリアアドバイザーや大学のキャリアセンターなど、プロの視点で見てもらうことが大切です。

オンライン面接の場合は、カメラ映りや背景、音声なども確認しながら練習しましょう。

STEP4.内定獲得後、退職・引き継ぎ・入社準備をする

転職活動において、内定はゴールではありません。内定を承諾したあとは、退職交渉や引き継ぎを行なって、入社準備にとりかかる必要があります。内定獲得後の流れとやるべきことは以下のとおりです。

オファー面談をする

内定後、企業によっては労働条件を最終確認するオファー面談を行ないます。

入社後のミスマッチを防ぐ重要な機会なので、給与や待遇だけでなく、具体的な業務内容や期待される役割、配属部署の雰囲気など、疑問や不安な点は遠慮なく質問して解消しておきましょう。

労働条件について希望がある場合は、あくまでも相談というスタイルを取って伝えましょう。年収交渉は、自身のスキルや経験、市場価値を客観的に示し、謙虚な姿勢で行なうことが大切です。

内定を承諾する

内定承諾の連絡は、感謝の気持ちを込めて、迅速かつ丁寧に行なうことが社会人としてのマナーです。内定承諾書の提出期限や提出方法は必ず確認し、指定された期日までに対応しましょう。

複数の内定を得ている場合、承諾する企業以外には辞退連絡をする必要があります。できるだけ早急に、誠意をもって辞退を伝えましょう。

退職交渉・引継ぎをする

退職交渉は、引き継ぎや有給休暇の消化を考慮して、退職の1~2ヵ月前には始めます。基本的には、まず直属の上司に退職する旨を伝えます。円満に退社するためには、社会人として感謝の気持ちを伝えつつ、退職の意思を明確にすることが大切です。

後任者が困らないように、引継ぎはわかりやすい資料を作成し、時間をかけて行ないます。最終出勤日には、貸与品を返還することも忘れないようにしましょう。

有給休暇の消化や退職日の設定は、会社の規程と照らし合わせながら、上司と相談のうえで行ないます。退職日が決まり次第、内定先に退職日と入社予定日を連絡しましょう。

転職先への入社準備をする

転職先への入社に向けて、提出書類の準備に加え、会社の理念や事業内容の再確認をしておきます。また、スムーズに業務を始められるよう、業界ニュースのチェックなども行なっておくとよいでしょう。

入社初日の服装や持ち物といった基本的なことは、事前に確認しておくことが重要です。新しい職場への適応には時間がかかるものなので、焦らず、積極的にコミュニケーションを取る姿勢を忘れないようにしましょう。

まとめ:20代の転職は将来を見据えて決めよう

20代の転職希望者の割合は30%を超えていますが、経験が浅いうちの転職にはメリットもあればデメリットもあります。20代の転職を成功させるには、転職の軸や目的を明確にし、自分に合った企業を選ぶことが大切です。その際、社員のリアルなクチコミも重要な情報源となるため、積極的な活用がおすすめです。

転職活動をスムーズに進めるには、転職活動の開始から転職先への入社まで、流れに沿って動くことが大切です。着実にやるべきことをこなし、理想のキャリアをスタートさせましょう。

専門家アドバイス: 20代の転職は、将来のキャリアを左右する大きな一歩です。焦って決断するのではなく、自己理解と企業研究を深めたうえで、長期的なキャリア形成を見据え選択をすることが重要です。情報を正しく活用し、目的を見失わずに行動すれば、転職は成長へのチャンスになります。キャリア形成や転職活動の進め方に自信が持てないときは、一人で抱え込まず第三者に相談することも選択肢に入れてみてください。

前へ

ジョブホッパーとは?意味・特徴・リスク・成功する転職術まで徹底解説

次へ

キャリアプランの立て方完全ガイド|メリット、職種別・年代別の考え方を解説