仕事に行きたくない時の原因別対処法と今すぐやるべきことは?自己診断チェックで今の状態を客観視しよう

この記事でわかること

  • 仕事に不安や悩みを抱え得る人は労働者の8割以上いる
  • 「仕事のミスが増えた」「日常生活に支障が出てきた」などが転職を検討するタイミング
  • 「仕事に行きたくない」を乗り越えた人たちの体験談から今自分がどうすべきなのか

厚生労働省の調査では、仕事で「強い不安・悩み・ストレス」を感じている労働者は8割以上にのぼるとされています。つまり、働く人の多くが仕事に対して何らかのストレスを抱えており、「仕事に行きたくない」と感じている可能性が高いということです。

この記事では、仕事に行きたくないと感じる原因と、その原因別に何をすべきなのか対処法を解説します。また、休職・転職を決断するタイミングや、休職時の具体的な手続きについてもご紹介するので、自分の心身の状態を見つめ直し、今すぐできる対策を一緒に考えましょう。

専門家からのファーストアンサー: 「仕事に行きたくない」と感じるのは、心や体からの重要なサインかもしれません。我慢して自分を責めるのではなく、まずは無理をせずにしっかりと休養をとることが大切です。また、一人で抱え込まず、信頼できる家族や友人、専門機関に相談することも忘れずに心がけましょう。

仕事に不安や悩み、ストレスを感じる労働者の割合は8割以上|その理由を解説

厚生労働省が行なった「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に関して「強い不安・悩み・ストレス」を感じている労働者は、全体の82.7%にものぼります。

そのなかでも「仕事の量」によるストレスや、「仕事の失敗、責任の発生等」が、それぞれ39%ほどを占めています。

このように、仕事に行きたくないと感じるのは、決してあなただけの問題ではありません。多くの人が仕事や職業生活に関することで、強い不安、悩み、ストレスを抱えており、個人の能力や努力だけでは解決できないケースも多いのです。

まずは、「仕事に行きたくない」という気持ちを生み出している原因は何なのか、実際のクチコミや体験談を交えながら詳しく見ていきましょう。

仕事量が多い・求められる仕事の質が高くて仕事に行きたくない

「仕事量の多さ」や「求められる仕事の質の高さ」が退職理由になったというクチコミは少なくありません。下記は、退職を検討した理由に関するクチコミです。

退職検討理由: とにかく仕事の量が多い。仕事量が多すぎて辞める社員が続出し、さらに仕事量が増えるという悪循環が起きている。有給をとっている日でも仕事をしていたり、毎日深夜まで仕事をしている上司を見て、こんな生活が続くのはキツいなと感じている。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 仕事量が多く、多忙のわりに給料が高くないため。役職が上がるにつれ仕事量や責任が多くなり、さらに激務になると考えると将来が不安になった。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 仕事量に対する待遇面の不満により退職。人の5倍仕事をしても給料が変わらない、むしろ仕事をしない年長者の方が給料をもらっている事実に辟易したため。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: とにかく、仕事量が多い。人によっては、残業が70時間を超える時もある。1人に対する仕事量が多く、仕事量が偏ることもあり、少数精鋭が仇となっている。

この社員クチコミを見る >>

単に仕事量が多いというだけでなく、「仕事量や責任の重さに対して給料が見合っていない」「社員間の仕事量の差が激しい」といった不公平感や不満が、ストレスの大きな要因になっていることがわかります。

こうした状況が続くと、仕事に行きたくないという気持ちが強くなり、最終的に退職や転職に至るケースが多いようです。

対人関係(パワハラ・セクハラなど)があって仕事に行きたくない

職場の対人関係が原因で仕事に行きたくないと感じる人も多くいます。そのなかでも多いのが、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントといったハラスメントによるものです。

令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」によると、過去3年間でパワハラの相談があったと回答した企業は64.2%、セクハラは39.5%にものぼります。

例えば、パワハラの内容としては、「脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)」が48.5%と最多です。次いで「業務上明らかに不要なこと、遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)」が38.8%を占めており、働く人々の心身に大きな影響をおよぼしている現状が浮き彫りになっています。

もしかして危険信号?「仕事に行きたくない」と感じたときの心の状態自己診断

「明日、仕事に行きたくないな...」という気持ちが頻繁に、あるいは強く現れる場合、それは単なる一時的な気分の落ち込みではなく、心からのSOSサインである可能性があります。

この自己診断は、「仕事に行きたくない」という気持ちの裏に隠れた、あなたの心の状態をチェックするためのものです。以下のリストで当てはまる項目にチェックを入れてみましょう。もし5個以上当てはまる場合は、注意が必要な危険信号かもしれません。

心の状態チェックリスト

  • 朝起きると、仕事のことを考えて気分がずっしりと重くなることが多い
  • 出勤時間が近づくと、理由もなく不安になったり、体調が悪くなったりする
  • 会社に着いても、なかなか仕事に取りかかる気になれない、または集中できない
  • 仕事中、常に「早く帰りたい」「この場から逃げ出したい」と思っている
  • 職場の人間関係(上司、同僚、部下など)が原因で、会社に行くのが苦痛だ
  • 仕事内容に興味ややりがいを全く感じられず、ただ時間を過ごしている感覚だ
  • 些細なミスを恐れたり、過度なプレッシャーを感じたりして、仕事が怖い
  • 休日も仕事のことが頭から離れず、心からリフレッシュできない
  • 「なぜ自分だけこんなに辛い思いを...」と孤独感や疎外感を強く感じる
  • 以前は楽しめていた趣味や好きなことにも、全く興味が湧かなくなった

<チェック数が0~2個:軽度> 少しお疲れ気味かもしれません

「仕事に行きたくない」と感じることはあっても、一時的なもので、日常生活に大きな支障は出ていない状態かもしれません。意識的に休息を取り、気分転換をすることで乗り越えられる範囲でしょう。

<チェック数が3~4個:中度> 心の負担が増しているサイン

「仕事に行きたくない」という気持ちが頻繁になり、心の負担が少しずつ大きくなっている可能性があります。何が原因でそう感じるのか、一度立ち止まって考える時間が必要です。信頼できる人に話を聞いてもらうのも良いでしょう。

<チェック数が5個以上:重度> 危険信号!体と心からのSOS

「仕事に行きたくない」という気持ちが強く、日常生活にも影響が出始めているかもしれません。この状態は、あなたの心と体が限界に近いことを示すSOSサインである可能性が高いです。決して一人で抱え込まず、専門家のサポートを求めることを強くお勧めします。

「仕事に行きたくない」と感じることに対して、「自分は甘えているだけなのでは...」と罪悪感を抱いてしまう方もいるかもしれません。しかし、今回の診断結果からもわかるように、その気持ちは決して甘えではありません。

特に重度と判断された方は、その辛い気持ちこそが、あなたの体が発している重要なSOSのサインである可能性が高いです。どうかご自身を責めないでください。そして、これ以上無理を重ねる前に、自分を守るための具体的な行動に移しましょう。

企業の相談窓口の利用

多くの企業では、従業員のメンタルヘルスをサポートするための相談窓口(産業医やカウンセラーなど)を設けています。まずは社内の制度を確認してみましょう。

働く人の「こころの耳相談」の利用

厚生労働省が運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、電話やSNS、メールでの無料の相談窓口が用意されています。匿名で相談できる場合もあるので、安心して利用できます。

転職

現在の職場環境がどうしても合わない、改善の見込みがないと感じる場合は、思い切って環境を変える「転職」も有効な手段です。新しい環境で心機一転することで、状況が好転する可能性もあります。

専門家アドバイス: 「仕事に行きたくない」と思う気持ちは、心や体からの危険信号かもしれません。無理に気合で乗り切ろうとせず、まずは自分の気持ちを紙に書きだして整理し、自分が置かれた状況を客観的に見つめてみることが大切です。悩みは一人で抱え込まず、家族や友人、専門機関に早めに相談することで心身の不調を悪化させずに済む場合があります。勇気をもって相談してみてください。自分自身を大切にするという選択は、決して「逃げ」ではありません。

「仕事に行きたくない」と感じたときに今すぐやるべきこと

「仕事に行きたくない」と強く感じている場合、根本的な解決よりも、まずは今の苦しさを和らげることが大切です。特に身体的・精神的な負担が限界に近いと感じたら、無理に出勤せず、まず自分を守る行動を優先しましょう。

ここでは、身体的・精神的な負担に苦しんでいる方に向けて、今すぐ楽になれる具体的な方法をご紹介します。自分の心身の状態を最優先に考え、少しでも気持ちが軽くなるきっかけを見つけてください。

仕事と距離を置く

仕事から距離を取る、つまり「休みを取る」ことは最も効果的な対処法です。心身の回復やリフレッシュのために有給休暇を活用しましょう。

有給休暇は労働者に与えられた権利ですが、職場によっては「休みを取ることを言い出しにくい」「仕事量の関係で休めない」というケースもあるかもしれません。そのような場合は、以下のポイントを意識して伝えるとよいでしょう。

なるべく早く伝える

有給休暇取得の意思はなるべく早く伝えましょう。事前に業務調整を行なっておけば、より印象が良くなります。

取得理由は言わなくても良い

取得理由を詳細に伝える必要はありません。前述のように、有給休暇は労働者の権利です。会社は理由を問わず取得を拒否できません。どうしても言う必要がある場合は、「私用」「病院に行く」など簡単な理由で十分です。

関係者にしっかりと感謝を伝える

休む際は関係者に感謝の気持ちを伝え、職場の人間関係が悪化しないよう心がけましょう。

信頼できる人に相談をする

「仕事に行きたくない」と感じたときは、一人で抱え込まず、まずは信頼できる家族や友人に悩みを話してみましょう。

身近な人に話すことで気持ちが整理され、心の負担が軽くなることがあります。また、第三者の視点から新たなアドバイスや気付きをもらえることもあるかもしれません。

もし家族や友人に相談しにくい場合は、職場の上司や人事担当者、同僚に相談するのも一つの選択肢です。さらに、職場内で相談しにくい場合や、より専門的な支援が必要だと感じたら、公的な相談窓口やメンタルクリニックの利用も検討しましょう。

「仕事に行きたくない」という気持ちの裏には、うつ病などのメンタル不調が隠れているケースもあるため、早めに専門家のサポートを受けることが大切です。

気分転換やストレス発散方法を見つける

「仕事に行きたくない」と感じても、現実問題として出勤しなければならないケースは多いでしょう。特に、月曜日が近づくにつれて憂鬱を感じる「ブルーマンデー症候群」に悩まされている方は、以下のような気分転換やストレス発散方法を取り入れることをおすすめします。

仕事始めのルーティンを決めておく

例えば、朝のコーヒータイムや、出勤前に好きな音楽を聴く習慣を作ることで、気持ちを仕事モードに切り替えやすくなります。

仕事終わりに楽しみを用意しておく

カフェに立ち寄る、趣味の時間を作る、体を動かすなど、仕事後の「ご褒美」を設定することで、仕事とプライベートのメリハリがつき、憂鬱な気持ちを乗り越えやすくなります。

早起きをする

いつもより早く起きて軽い運動をしたり、少しリッチな朝食を楽しんだりすることで、一日を前向きにスタートできます。実際に、運動には抑うつ改善の効果があるとされており、気持ちのリセットにも役立ちます。

自分に合った気分転換やストレス発散方法を見つけ、無理なく続けてみてください。

「仕事に行きたくない」と感じる原因別の対処法

「仕事に行きたくない」と感じる原因を、再度整理してみましょう。

  • 人間関係
  • 仕事内容
  • 労働環境・条件
  • 心身の不調

上記のいずれにも該当せず、理由がはっきりしないというケースもあるかもしれません。ここでは、理由がわからないケースも含め、原因別に対処法を解説します。

人間関係が原因の場合

職場の人間関係が原因で仕事に行きたくない場合は、具体的な悩みや状況を整理し、信頼できる上司や人事担当者に相談しましょう。また、コミュニケーション方法を見直し、相手との距離感を調整する、必要以上にかかわらないといった工夫もストレス軽減につながります。

コミュニケーションの改善が難しい場合は、異動希望を出すことも検討しましょう。部署や担当業務が変わるだけでも、大きなストレス軽減につながることがあります。

また、社内もしくは外部の相談窓口を利用するのも有効です。自分だけで抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。

仕事内容が原因の場合

仕事内容そのものに不満や負担を感じている場合は、まず上司に相談して業務内容や量を調整してもらいましょう。

相談する前に、自分がどの業務で特にストレスを感じているのか、具体的に書き出して整理しておけば、問題点が明確になって伝わりやすくなります。

業務の優先順位を見直したり、苦手な業務の進め方や工夫について上司や同僚に相談したりすることで、仕事の負担を分散できる可能性は高いです。また、自分の強みや得意分野を活かせる業務へのシフトも検討してみましょう。

上司や同僚に相談しにくい場合も、無理に一人で抱え込まず、周囲の協力を得ることが大切です。必要に応じて、キャリアカウンセラーや外部の専門家に相談することをおすすめします。

労働環境が原因の場合

労働条件や職場環境が原因で仕事に行きたくない場合は、まず上司や人事担当者に現状を相談し、改善できる点がないか話し合いましょう。

給与や雇用条件に不満がある場合は、具体的な希望や要望を伝えることが重要です。場合によっては、担当部署や勤務地を変えてもらうことも検討しましょう。

また、会社に労働組合がある場合は、労働条件や職場環境の改善について、組合を通じて会社に相談・交渉することもできます。

自分だけで解決が難しいと感じたら、総合労働相談コーナーなど行政の労働相談窓口や専門機関を利用するのも有効です。労働環境の改善は、働き続けるうえで非常に重要なポイントなので、遠慮せず行動しましょう。

心身の不調が原因の場合

身体的・精神的な不調が原因で仕事に行きたくない場合は、まず無理をせず休むことを最優先に考えましょう。有給休暇や休職制度を利用し、心身をしっかり休めることが大切です。

もし、吐き気や頭痛、不眠などの症状が続き、日常生活に支障が出ている場合は、自律神経の乱れやうつ病の可能性も考えられます。

早めにメンタルクリニックや精神科などの医療機関を受診しましょう。医師の診断書があれば、職場への報告や手続きもスムーズに進む場合が多いです。

理由が明確でない場合

上記のいずれにも該当せず、「なぜ仕事に行きたくないのかわからない」と感じる場合、表面化していない内面的な問題や、複数の要因が絡み合っている可能性があります。

どうしても原因がわからず、気分の落ち込みや体調不良が続く場合は、精神科やメンタルクリニックなどの医療機関の受診を検討しましょう。専門家のカウンセリングや診察を受けることで、原因が明らかになり、適切な対処法が見つかることもあります。

自分だけで無理に解決しようとせず、周囲や専門家の力を借りて、心の負担を軽くしましょう。

いつまで我慢する?休職・転職を検討すべきタイミング

仕事に行きたくない気持ちが続く場合、どのタイミングで休職や転職を考えるべきかわからないという方もいるでしょう。ここでは、具体的な判断基準や注意点をご紹介します。自分の心身の状態や職場環境を冷静に見つめ直し、適切なタイミングで行動しましょう。

日常の生活に支障が出てきたら

もし日常生活に明らかな支障が出ている場合は、休職や転職を真剣に検討しましょう。

例えば、「食欲がなくご飯が食べられない、あるいは暴飲暴食が止まらない」「朝起きられない、夜眠れないなど睡眠に影響が出ている」といった状態が続く場合は危険信号です。

また、「動悸が止まらない」「イライラが抑えられずに暴力的な行動に出てしまう」など、自分でコントロールできない症状が出ている場合も要注意です。これらは心身の限界を超えているサインであり、無理を続けるとさらに深刻な健康被害につながる恐れがあります。

早めに専門家や医療機関に相談し、必要であれば休職や転職の準備を進めましょう。

仕事のミスが増えてきたら

仕事のミスが増えた、集中力が続かず仕事に身が入らない、同僚や上司とのコミュニケーションがうまくいかない、遅刻や欠勤が目立つようになったという場合は、心身の限界が近いサインです。

このような状態のまま、無理をして仕事を続けていると、さらに大きなミスやトラブルにつながるリスクが高まります。自分の変化に気付いたら、まずは上司や人事担当者に相談し、業務量や働き方の調整、場合によっては休職や転職を検討しましょう。

休職は決して甘えではなく、自分の健康を守るための重要な措置です。必要に応じて医師の診断書を取得し、心身の回復を最優先にしてください。無理を続けてキャリアや健康を損なう前に、早めに対応することが大切です。

家族や友人、同僚から心配されたら

自分では「まだ大丈夫」と思っていても、家族や友人、同僚など身近な人から「最近元気がないね」「大丈夫?」と心配されることが増えたら、気付かないうちに疲労やストレスがたまっているサインです。

第三者の目線は、自分の状態を客観的に見直す大事なきっかけとなります。特に、普段と違う様子を指摘された場合は、無理をせず自分の体調や気持ちを振り返りましょう。必要であれば、早めに休職や転職を検討し、信頼できる人や専門家に相談することも重要です。

周囲の声を無視せず、素直に受け止めることで、自分の心身を守ることにつながります。自分一人では気付きにくい変化も、周囲のサポートを受けて早めに対応することで回復への第一歩になります。

今の会社で改善が見られないとき

職場に問題を伝えても改善の余地が見られない、そもそも休職が認められないなど会社側の対応に限界を感じた場合は、転職も視野に入れましょう。転職を考える際は、次の職場でも同じような悩みを繰り返さないために、以下の点を確認することが大切です。

  • 自分にとって何が大事なのか(給与、職場環境、業務量、人間関係など)を整理する
  • 転職先企業のクチコミ(働きやすさや実際の業務量、給与とのバランスなど)を確認する

企業が発信している情報だけでなく、実際に働いている人の声を参考にすることで、より納得できる転職先を見つけやすくなります。自分の価値観や希望を明確にし、焦らず慎重に判断しましょう。

企業のクチコミを確認するなら、OpenWorkがおすすめです。

まずは無料ユーザー登録(1分)

仕事を休職する際の手続きについて

「休職」と聞くとネガティブな印象を持つ方も多いかもしれませんが、決して後ろ向きな選択肢ではありません。むしろ、ストレスの原因から距離を置いて回復に専念できるポジティブな手段です。また、休職中は自分の将来や働き方について冷静に見直す時間にもなります。無理をせず、必要であれば休職を検討しましょう。

ここでは、休職する際に必要となる具体的な手続きや注意点について解説します。

休職したい意思を伝える

まずは直属の上司に、休職したいという意思をしっかりと伝えましょう。多くの場合、上司との面談が設けられ、なぜ休職を希望するのか理由を話すことになります。上司との面談では体調や状況を簡潔に伝えましょう。

もしすでに医療機関を受診しており、医師から休職を勧められている場合は、その旨を伝えることが大切です。

特に、病気やケガを理由とする「疾病休職(業務上ではない私傷病休職)」の場合は、医師の診断書が必要になります。診断書は会社への正式な提出書類となるため、受診時に医師に相談し、適切な内容で発行してもらいましょう。

休職願(休職届)を提出する

休職の意思を上司に伝えたあとは、会社の就業規則に従い、正式に休職願(休職届)を提出します。休職願は、休職期間や理由、休職中の連絡先などを記載する書類で、多くの会社で提出が必要です。

会社によってフォーマットや提出方法が異なるため、事前に人事担当者や総務担当者に確認し、必要な書類や添付物を準備しましょう。

休職願を提出すると、会社側で休職の要件を満たしているか確認され、正式な承認を経て休職が開始されます。

トラブルを防ぐためにも、休職期間や休職中の手続き、復職の条件などについてしっかりと確認し、内容を明文化しておくことが大切です。

休職中の傷病手当金や労災制度について確認

経済的な不安を軽減するために、休職中でも利用できる制度について理解しておくことも重要です。

業務外の病気やケガで休職して、給与が支払われなった場合は、協会けんぽや健康保険組合などから「傷病手当金」が支給されます。傷病手当金は、病気やケガで休んだ期間の中で、最初の3日間は「待機期間」となり支給されません。4日目から通算して1年6ヵ月まで、標準報酬日額の約3分の2が支給されます。

一方、業務中や通勤中のケガや、業務上の事由による病気で休職する場合は「労災保険」の休業(補償)等給付や休業特別支給金の対象となり、休業(補償)等給付では休業開始4日目以降、給付基礎日額の60%、休業特別支給金では給付基礎日額の20%に相当する額が支給されます。

傷病手当金と労災保険の給付金は同時に受給できないことや申請先、申請に必要な書類も異なるため、どちらが該当するか会社や人事部などの保険担当者に必ず確認しましょう。

専門家アドバイス: 休職を考える際には、理由が私傷病なのか業務上のものなのかによって、「傷病手当金」または「労災保険の給付」のいずれが該当するか異なります。休職期間や休職の要件も変わる場合がありますので、休職を検討する前に、早めに上司や会社の人事部に相談するようにしましょう。傷病手当金を受給中に退職しても、要件を満たしていれば、退職後も受給を続けることができますので、主治医やクリニックのケースワーカーにも相談してみてください。

休職中の会社との連絡手段を確認

休職中であっても、会社との連絡が必要になる場合があります。例えば、健康状態や復職のタイミングを確認する際などです。

しかし、頻繁な連絡が治療や休養の妨げになることもあるため、休職前に連絡の頻度や、メール、電話などの連絡手段を会社と取り決めておくことが大切です。

例えば「月に一度メールで状況報告する」など、無理のない範囲で合意しておくことで、心身の負担を軽減できます。必要最小限のやりとりにとどめ、安心して療養に専念できる環境を整えましょう。

休職中も税金の納税義務はあるので注意

休職中は給与が支給されないケースが多いですが、社会保険料や住民税などは納めなければなりません。無給である以上、給与からの天引きができないため、納付方法について会社と事前に相談しておきましょう。例えば、住民税は、自分で自治体に直接納付する、社会保険料は、復職後にまとめて精算するなど、会社ごとに対応が異なります。

また、納付を怠ると延滞金が発生することもあるため注意しましょう。経済的な負担を軽減するためにも、傷病手当金や労災給付などの制度を活用し、支払い計画を立てておくことが大切です。もし支払いが難しいようであれば、早めに会社や自治体に相談しましょう。

アドバイス: 社会保険料と住民税は、会社が立て替えて納付しています。給与がないからと言って、免除されるわけではありませんので、会社が指定した期日までに支払う必要があります。経済的な不安を少しでも減らすために、傷病手当金など使える制度を前もって調べておくようにしましょう。どうしても、休職中に支払うことが難しい場合には、会社に相談して、無理のない支払になるように配慮してもらいましょう。

「仕事に行きたくない」を乗り越え、自分らしい働き方を見つけた経験者の声

転職は決して「逃げ」やネガティブな選択ではなく、自分らしい働き方を見つけるための前向きな一歩です。ここでは、OpenWorkのクチコミから「転職して良かった」という声をピックアップしてご紹介します。

入社理由と入社後ギャップ: 当社よりも前に働いていた会社では、人によって働く目的やモチベーションがバラバラであり、自分がどこを目指して働けば良いかが不明確でした。そこで企業理念に共感できる会社で働きたいと思い、当社の選考を受け、縁あって入社しました。企業理念がしっかりしたものがあるため、特に私がいた営業部では社員の方々はまじめに熱量を持って働いていたと感じましたし、同世代の上司は非常に尊敬できる人だったので、入社してよかったと感じました。

この社員クチコミを見る >>

入社理由と入社後ギャップ: 働き方改革がすすんでおり、そこを徹底してつきつめている社風はとてもよかったからです。また、人事や面接者の対応もきちんとしており、ちゃんとした会社というイメージをもてた。

この社員クチコミを見る >>

ワーク・ライフ・バランス: 非常に良い。例えば有給だが、朝起きて仕事に行きたくないときは『私用で~』と上司にメールを打てば休める。理由も聞かれないためとりやすい。早退するなども報告さえすれば問題なく当日に取れる。

この社員クチコミを見る >>

ワーク・ライフ・バランス: 非常に調整しやすい。そもそも残業時間が少なく、月20時間以上残業している人はかなり少ないのではないかと思う。全体的に無理やり働けるだけ働こう!という意識がなく、なるべく早く帰ろうという意識が高い。20:00にはほとんど会社に人がいなくなる。

この社員クチコミを見る >>

ワーク・ライフ・バランス: ワークライフバランスは非常に充実しております。残業も少ないですし休みも取りやすいです。先輩や上司も優しい人が多く食事等に誘ってくれますが別に強制参加では全くないです。自分の時間は学生時代と同じくらい取れており、非常に充実した時間を捻出出来ると思います。

この社員クチコミを見る >>

「仕事に行きたくない」と考える人のよくある質問

「仕事に行きたくない」と感じるのは特別なことではありません。多くの人が同じ悩みを抱えており、原因や対処法を知ることで前向きな一歩を踏み出すことができます。ここでは、「仕事に行きたくない」についてよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。

Q. 仕事に行きたくない気持ちは甘えですか? 

いいえ。多くの場合、心や体が発しているSOSサインです。例えば、過度なストレスや人間関係の悩み、疲労の蓄積、モチベーションの低下、うつ病の初期症状などで、「仕事に行きたくない」という気持ちが強くなっている可能性があります。

自分の気持ちを否定せず、まずはその感情を受け止めて、どのような原因があるのかを探ることが大切です。必要に応じて周囲や専門家に相談しましょう。

Q. 仕事に行きたくないときはどうしたら良い?

「仕事に行きたくない」と感じる原因は、人間関係のストレスや仕事内容への不満、労働条件の厳しさ、心身の不調などさまざまですが、いずれの場合でも、まずはしっかりと休息を取ることが大切です。一人で抱え込まず、家族や友人、同僚など信頼できる人に相談してみましょう。

また、原因に応じて職場環境の改善を求めたり、仕事内容を調整したりするなど、具体的な対処法を試すのも有効です。

Q. 仕事に行きたくない場合は休んでも良い?

「仕事に行きたくない」と感じたときは、心身の健康を最優先に考えましょう。無理に出勤を続けることで症状が悪化することもあるため、つらいときは勇気を持って休むことが大切です。

休む際には、会社の就業規則を確認し、有給休暇や休職制度を適切に利用しましょう。有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利であり、一定の条件を満たせば誰でも取得できます。

休息は決して甘えではなく、自分を守るための大切な選択肢です。必要に応じて、信頼できる人や専門機関に相談するのもよいでしょう。

Q. 仕事に行きたくない人の割合はどれくらい?

厚生労働省の調査によると、仕事や職業生活に関して「強い不安・悩み・ストレス」を感じている労働者は82.7%にのぼります。つまり、多くの人が「仕事に行きたくない」と感じた経験があり、決して珍しいことではありません。

人間関係や仕事内容、労働条件など原因はさまざまですが、「仕事に行きたくない」という気持ちは誰にでも起こりうる自然な感情です。自分の気持ちを責めず、必要なときは休むという選択肢を検討しましょう。

まとめ:仕事に行きたくない毎日から抜け出し、あなたらしいキャリアを築こう

「仕事に行きたくない」という気持ちは、決して甘えではなく、自分自身を見つめ直す大切なサインです。多くの人が同じ悩みを抱えており、原因を理解し適切な対処をすることで、今の状況は必ず変えられます。

ときには思い切って休むことや、転職など新しい環境に飛び込むことも、前向きな選択肢の一つです。何よりも心と体の健康を最優先にし、自分に合った働き方やキャリアを築くことを目指しましょう。

もし今の職場が合わないと感じたら、OpenWorkのクチコミを活用して、あなたに合った新しい職場や働き方を探してみてください。より良い未来への一歩は、あなた自身の行動から始まります。

まずは無料ユーザー登録(1分)

専門家アドバイス: 「仕事に行きたくない」と感じたとき、自分を「甘え」と責めて我慢するのではなく、それが心と身体からのSOSサインかもしれないと考え、無理せずに休養を取るようにしましょう。休暇や休職を利用して心と体をしっかり休ませることで、自分が何に向いているのか、将来どんな仕事をしたいのかを考える余裕が生まれます。また、必要に応じて、家族や友人、専門機関に相談し、辛い思いを一人で抱え込まないようにしましょう。

前へ

仕事が辛いと感じたら?原因分析の方法と具体的な対処法、仕事を辞めるべきサインを解説

次へ

仕事のやる気がでない!原因と対処法を知って心身の健康を取り戻そう【専門家監修】