仕事のやる気が出ない原因とは?30代特有の7つの原因と対処法を解説

この記事でわかること

  • 仕事のやる気が出なくなる原因はさまざまだが、待遇面の悪さ、職場環境、プレッシャーやキャリアへの不安などが多い傾向
  • 職場環境など外的な要因だけでなく、30代という年代特有の事情から仕事のやる気が出なくなることがある
  • やる気を取り戻すには、心身の回復、会社や上司に改善を相談するなど行動が必要
  • 改善を試みても変化がない場合は、転職して環境を変えるというのも一つの選択肢になる

30代になると、この年代特有の悩みなどから仕事のやる気が下がったり、漠然とした不安を覚えたりすることがあります。やる気を取り戻すには、心身の回復に努めるほかに、会社や上司に改善を相談するなどの行動が必要です。また、状況によっては転職が適していることもあるでしょう。

この記事では、30代で仕事のやる気が出ない原因やその具体的な事例を踏まえ、やる気が出ないときの対処法と転職するかどうかの見極めについて解説します。

監修者からのファーストアンサー: 30代になると、同期入社や学生時代の同級生と少しずつ差がつき始めます。「何故あいつが自分より給与が高いのか」「なぜあいつが自分より出世が早いのか」。自分のライフステージの変化もあり、給与や地位に敏感になり、嫉妬と焦りから自分を見失いがちになります。だからこそ、自分をしっかり見つめることが大切な年代です。

30代の「仕事やる気が出ない」7つの代表的な原因

30代になってからどうにも仕事にやる気が出ない、20代の頃のようにエネルギッシュに働けない、と悩んでいる方は、意外にも多いものです。

ここでは、30代特有の仕事に対するモチベーションの低下について、7つの代表的な原因を実際の声とともに紹介します。

原因①給料が安い

30代は結婚や出産・育児、家の購入といった人生における重要な意思決定が重なりやすく、悩みやストレスを抱えやすい年代です。加えて、ライフステージの変化によって20代の頃よりも多くの収入が必要になるため、納得できる金額の給料を得られない状況が続けば仕事に対するやる気も低下してしまうでしょう。

また、キャリア的には出世や昇進が発生しやすい年代でもあります。同年代の人と収入の差が気になり、そのことがモチベーションに影響することも珍しくありません。

以下は、実際にOpenWorkに寄せられた「給料が安くてやる気が出ない」という声です。

退職検討理由: 給与面の低さの割にプライベート時間を侵食されることが決めてとなった。業界特有の利益率の低さに加え、正社員の多い企業のため今後も大きく給与水準が上がることはないだろうと考え、転職を決意した。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 圧倒的に給料が低い。自分のランク以上の仕事をさせられるがそのランクの給料が出ることはない。同じ仕事をするならほかに給料が良い会社に行ったほうがまだまし。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 他のCROに比べて給料が低い。残業しないと稼げないシステムなので、効率的に業務をする人ほど給料が安いという矛盾を感じる。

この社員クチコミを見る >>

原因②仕事のマンネリ化

社会人10年目前後になり、仕事がマンネリ化してやりがいを感じられなくなってしまったというのも原因として挙げられるでしょう。

ルーティンワークをこなすだけの毎日や、20代の頃と変わらない仕事内容だと、働くことに新鮮味を失ってしまいます。「この仕事は自分じゃなくてもできるのではないか」「自分の力を活かせていないのではないか」という考えから惰性で働いている感覚が強まることで、仕事へのやる気がなくなってしまうのです。

以下は、やりがいを感じられないことで仕事へのやる気をなくしてしまった人たちのクチコミです。

退職検討理由: 一定年数以上勤務したが、スキルが身についていると感じられなかった。また、体調が良くない社員がどの部署にも一定数いることに不安を覚えた。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 働いていて成長がない。働く上での楽しみが少ない。やりがいがない。仕事をしていて日々暇だと感じるのはとても苦痛。社長の頭の硬い考え、昭和的な古い考えがとても理解できない。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 業務量の多さ、キャリアアップができる環境ではないこと、仕事のやりがいがないことを考慮し、給料等と見合わないと感じたため。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 30代としての成長環境として見受けられないこと、同等の能力を求められる外資系IT企業と比較すると給与待遇が低いこと、社内政治に対する面倒、能力・人格ともに尊敬できない先輩従業員。結果として、現在は半分は引き続きHR関連の提案だが半分は別のプロダクトの提案をすることで自身の幅は広がっている、ベース給与だけで1.5倍ありOTEでは3倍の給与待遇の会社に転職。現職に繋がる成長環境を与えてもらったことには感謝をしているが、現在の能力通りでの待遇ではない。

この社員クチコミを見る >>

組織体制・企業文化: 理職は40代からが基本なので、20~30代は作業員で、成長できないと考えた方がいい。

この社員クチコミを見る >>

原因③上司・組織への不信感

本人が十分な意欲を持っている場合でも、上司や同僚のやる気の欠如が悪影響をおよぼすことがあります。特に30代になると管理職となり部下を持つケースが増えますが、上司や同僚からの協力が得られず、「誰も助けてくれない」という板挟み状態になることも少なくありません。その結果、業務の負担が増し、精神的なストレスやモチベーションの低下につながってしまうのです。

OpenWorkにも、上司にやる気がないことや同僚の勤務態度などから仕事に対するモチベーションを失った人のクチコミがいくつか見られます。

退職検討理由: 上司にやる気がない。営業所所長のやる気がなく尊敬ができない。比較的若手が多いが、出世できるポストがない。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 部署のせいかやりがいが少ない。周囲の先輩もやる気がない人が多く仕事が遅いのに残業をして稼いでいる。一方自分は特別仕事が早いとは思わないが、効率を意識して集中して取り組んでいるため仕事が早く終わり、定時まで時間を持て余すことがある。仕事ができない人が残業をして残業代を貰っているのが許しがたい。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: マネジメント層が忙しいためか、めんどくさがりなのか、専門性と言う言葉の下、担当物件は似たようなビルディングタイプの仕事が多くなり、少し退屈。

この社員クチコミを見る >>

原因④過度なプレッシャーと責任の重圧

30代はキャリアの重要な局面を迎え、営業職など数字に追われる仕事に限らず、仕事全体のプレッシャーを感じやすい時期です。このプレッシャーには、職務内容の責任増加やキャリア形成への期待など、さまざまな要因が含まれます。

その結果、精神的な負担が増し、モチベーションが低下するケースも少なくありません。特に、周囲の環境や仕事の評価が不透明な場合やそもそも評価されない場合、ストレスが蓄積しやすく、仕事へのやる気もどんどん低下してしまいます。

以下は、仕事による過度なプレッシャーからやる気を失ってしまった人のクチコミです。

退職検討理由: 激務ゆえに心身共に疲れた。数字のプレッシャーも強く、労働時間は長めであった。それを補っての成長実感や、仕事のやりがいが存在することも確かにあったがそれだけでは頑張りきれなくなってしまった。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 1ヶ月は座学で知識の詰め込み。これが殆ど意味がない。更に1ヶ月OJTで実際に問い合わせ対応をするが、リモートで仕事を教えてくれるメンターさんによって対応方法も変わってくるため、一貫性がなく仕事が覚えづらい。問い合わせに対するアンケートをランダムに行っており、回答も全てデータ化され、回答も評価値に含まれる。正社員登用制度もあるが、一定の評価値を高水準キープし続ける必要があり、かなりハードルが高い。

この社員クチコミを見る >>

原因⑤職場の人間関係・コミュニケーション不全

仕事そのものではなく、同じ職場の人間関係にストレスを感じていて、そのことがモチベーションに影響することも少なくありません。
どのような上司の下で働くか、どういった人と一緒に働くかは、仕事の効率だけではなく仕事に向き合う心にも大きく影響をおよぼすのです。

また、20代までは自分の仕事だけに向き合っていればよかったのですが、30代になるといそうはいきません。ある程度仕事の幅が増えて責任も増し、部下もできて、その育成や配慮といったマネジメントも求められるようになります。

他部署とのコミュニケーションが増えるケースもあるでしょう。こうした仕事の変化はやりがいをもたらす一方、人間関係の悪化を招くこともあります。そして、人間関係の悪化が仕事へのモチベーションの低下を招くのです。

以下は、OpenWorkに寄せられた「職場の人間関係が原因でやる気が出ない」というクチコミの一部です。

退職検討理由: 店によって余りにも雰囲気が違いすぎる。残業の承認も、店長によって違う。やっていることに対して給料が見合わないと感じる。店によって、きちんと話を聞いてくれる店長と、「話しかけるなオーラ」を出してくる店長がいて、話を聞いてくれる店長が店長職を降ろされたのには、会社のやり方にガッカリした。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: トップダウンの仕事が重たい中で、ずっと同じ作業をし続けていた為、自身のスキルアップに対する不安感が年々増加していたことが背景にある。また個人的には、法令遵守を厳しく指導される割に業務量が適切でなかったように思う。そして人間関係のもつれがきっかけとなり、最終的に転職する運びとなった。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 上司や先輩方など周りの人間と自分の考え方、趣味趣向、価値観、思想が全く合わず、あのまま働き続けた場合、お互いのためにならないと思い、退社を決意させていただきました。

この社員クチコミを見る >>

原因⑥キャリアパスの不明確さ

いつまでも昇進できない、昇進の目途が立たない、そもそも自分の仕事を正当に評価されないといったことでやる気を失い、転職を検討するケースもよく見られます。

業界や企業にもよりますが、特に30代は一般的に出世や昇進をしやすい年代です。知人・友人と比べて自分のキャリアパスの不透明さが気になり、そのことでモチベーションを失ってしまったとしても、何もおかしいことではありません。

以下に、キャリアパスの不明確さでやる気を失った人の声を紹介します。

退職検討理由: 入社時に説明された内容と事実が異なるため退社した。また、中途入社組に対する教育機会の提供やフォローが手厚いとは言えず、安心して今後のキャリア構築を図れないことも退職の一因となっている。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 自身の長期的なキャリアが見えない。周りを押しのけて何が何でも上を目指して出世したい人か、生活できる最低限の給料が貰えれば良い人の、どちらかじゃないと続けるのは厳しい。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: カスタマーサポートとしてのキャリアパスが思い描けなかった。

この社員クチコミを見る >>

女性の働きやすさ: 転勤が多く、キャリアパスが不透明であるため、総合職の女性は働きにくいと感じる。上記理由で退職した社員も散見される。近年社内結婚の場合に夫婦が同じ勤務地で働けるように配慮するケースも見られるが、必ずしも全員に対し配慮されているわけではない。

この社員クチコミを見る >>

原因⑦業界全体の不安

現職の業界に将来性や安定性を感じられないと、30代以降のキャリアパスを含めてこのままでいいのかと不安に感じることが多いようです。
OpenWorkのクチコミを見ると、百貨店、半導体、電力、印刷業界など昔からある業界に多い傾向のように思われます。

以下は、OpenWorkに寄せられた、「業界の先行きが不安」というクチコミです。

退職検討理由: 構造改革を契機に、これまで5人で分担していた業務を1人で行うなど、一人当たりの業務範囲が拡大した。この先労働人口は減っていくため、ある程度の業務量拡大は覚悟をしており、数年間は努力をして対応してきたが、地道にコツコツ働く人間が損をすると感じることが年々増え、役員や経営層が仮に全員変わったとしても、組織体制・風土が変わるにはかなりの時間を要すると判断した。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 同じく顧客に対して繰り返し販売するため仕事そのものは比較的簡単。担当歴が長くなれば関係性も高まり、コミュニケーションも問題なく取れる環境。その反面、同じことの繰り返しで成長機会は感がられず、組織の上が詰まっているため出世も一定役職まではいかが、その先はかなり狭き門。業界全体が斜陽産業のため、今後ともさらに事業環境は厳しくなると予測。

この社員クチコミを見る >>

退職検討理由: 業体制が古い。また、就職氷河期世代(30代後半~40代前半)の社員が明らかに少なく、40代後半~50代の団塊の世代が退職した場合の会社・業界の将来にかなり不安を感じた。

この社員クチコミを見る >>

自己診断チェック:あなたの「やる気低下」レベル診断

ここではあなたの「やる気低下」レベルをチェックします。簡単な質問に答えるだけで今のあなたの仕事に対するモチベーションがわかるので、ぜひ試してみてください。

<最近のあなたご自身について、当てはまる項目はありますか?>

  • 自身の働きや貢献に対して、現在の給与や待遇が十分ではないと感じる。
  • 日々の仕事がルーティン化し、創造性や挑戦の機会が少ないと感じている。
  • 会社の方針や上司の評価に対し、心から納得できなかったり、不信感を抱いたりすることがある。
  • 任されている仕事の責任が重く、精神的なプレッシャーで追い詰められている感覚がある。
  • 職場の人間関係が円滑でなく、コミュニケーションに大きなストレスや難しさを感じている。
  • 今の会社で働き続けても、理想のキャリアを歩める、あるいは成長できるという実感を持てない。
  • 所属する業界や会社の将来性に不安があり、このままで良いのかと疑問に思う。
  • 仕事を通して「成長している」という手応えや達成感を得られていない。
  • 業務量の多さや長時間労働により、心身ともに疲れ切っていると感じる。
  • 休日でも仕事のことが頭から離れず、気持ちが休まらなかったり、憂鬱になったりする。

「はい」が0~3個の人:【大きな問題なし】
現状、大きな問題は抱えていないようです。多少の不満や課題はあるかもしれませんが、うまくバランスを取れている状態といえるでしょう。今の良い状態を維持しつつ、さらに働きがいを高める工夫をしてみましょう。

「はい」が4~6個の人:【要注意】
仕事に対するモチベーションに黄色信号が灯っています。いくつかの要因が重なり、やる気が低下し始めている可能性があります。このままだと、さらに深刻な状態に進むことも考えられます。どの項目に「はい」がついたかを見返し、具体的な原因を探り、小さなことからでも改善策を考え始めることをおすすめします。

「はい」が7個以上の人:【危険信号】
仕事に対するモチベーションがかなり低下しており、心身にも影響が出ている可能性があります。深刻な状況かもしれません。一人で抱え込まず、信頼できる人に相談したり、専門家(キャリアコンサルタント、カウンセラー、医師など)の助けを借りることも検討しましょう。まずはしっかりと休息をとることも大切です。

専門家アドバイス: 仕事にも慣れ、職場の先輩としての役割が仕事にも加わり始めると、会社の将来や経営上の問題点、組織やマネジメント上の問題点も見え始めてきます。すると自分の今までやってきた仕事が小さいものに見え、もっと大きな仕事をしたい、自分ならできるはずだという考えに至り、それをさせない会社や上司に不満を抱き始め、モチベーションを下げがちになります。そして、そんな時こそ、このチェックリスト等を活用し、冷静に自分の現状を見つめてみることが必要です。

【30代の壁】キャリアの転換期特有の4つの落とし穴

20代とは異なり、30代はライフステージに大きな変化が表れやすい年代です。キャリアにおける大きな転換期でもあり、特有の課題に直面しやすい時期だといえるでしょう。

そこで、ここではあなたのやる気を奪う可能性のある「30代ならではの落とし穴」を4つ解説します。

1.ライフステージの変化

30代は人生の転換期ともいえる重要な時期で、結婚や子育てといったライフイベントが重なりやすいです。これらの出来事は個人の価値観や生活の質に影響を与えることが多いといえるでしょう。

特に女性は、男性よりも結婚・出産といったライフイベントによって、キャリアに受ける影響が大きくなります。
キャリアを守りたいと思う一方で、年齢から結婚や出産にリミットのようなものを感じ、それが仕事へのモチベーションに影響するのです。

すでに家庭を持っている方でも、仕事と家庭をどのように両立していくかは重要なテーマです。変化を見越し、キャリアアップを目指す転職を考える方も少なくはありません。

2.クォーターライフクライシス

クォーターライフクライシスとは、人生の4分の1を経過した20代後半から30代前半に多くの人が直面する心理的な葛藤や不安を指します。

この時期には、キャリアや将来の方向性、漠然とした不安に加えて、結婚や家庭のあり方に関する迷いや孤独感が深まる傾向があります。

また、近年はSNSを通じて他人との比較が増え、「このままでいいのか」という不安や恐怖を抱える人が多いようです。

海外の調査によると、25歳から33歳の約7割以上がクォーターライフクライシスを経験しているとされています。仕事に対するモチベーションにも、少なからず影響をおよぼしていると考えられるでしょう。とある専門家の言葉を借りるなら、この世代は仕事に関して「悩んでいるのが当たり前」だそうです。

3.バーンアウト(燃え尽き症候群)

バーンアウト(燃え尽き症候群)とは、誰でも起こりうる精神的・身体的エネルギーの枯渇状態のことです。特に真面目で責任感が強い人に起こりやすく、目標達成後や長期間のストレス環境に晒され、突然やる気を失ってしまいます。

やる気がでないだけではなく、場合によってはうつ症状が出るケースもあり、心身の健康を損なうおそれもあるため、注意が必要です。

具体的なきっかけとしては過労働や度重なるトラブルへの対応、上司と部下との間での板挟みなどが挙げられます。これを避けるためには、第一に適度な休息が必要です。そして、必要に応じて医師の助けを借り、職場環境を変えることや転職なども視野に入れるべきだといえるでしょう。

ただやる気をなくしているだけと甘く見るのではなく、自分の状態を適切にとらえ、取り返しがつかなくなる前に対処することをおすすめします。

4.キャリアプラトー(成長の停滞期)

キャリアプラトーとは、会社組織で働く人が成長や昇進を見込めない、あるいは職場の環境が原因でキャリアに行き詰まってしまう「成長の停滞期」のことをいいます。

特に30代から40代の業務や組織への理解が深まるミドル世代に起こりやすいといわれていて、これはある程度キャリアを積み重ね、それより上を目指す意欲を失ってしまうことにあるとされています。

また、キャリアプラトーは、大きく階層プラトーと内容プラトーに分けられます。階層プラトーとは、今の職位よりも昇進する可能性が将来的に低下している状態、そして内容プラトーは仕事に対して新たな挑戦や学びが欠けている状態です。

どちらであっても、仕事にやりがいや達成感を得られにくくなり、仕事へのモチベーションを低下させることは変わりません。

対策としては、上司や先輩に相談したり、社外の人と接する機会をつくったりすることが挙げられます。それでも難しい場合は、転職も視野に入れましょう。実際、30代で転職を考える人の多くが、このキャリアプラトーの状態にあるともいわれています。

専門家アドバイス: 今の仕事の現状と理想とのギャップが日々大きくなって、モチベーションを下げている状況を何とかしたいという気持ちも日々大きくなってきます。しかし、その方向を会社や上司等に向ける他責や過剰な自責で考えてしまうと偏った解決策へと道を誤るリスクが高まります。冷静な判断をするためには、第三者の視点を取り入れながら、長期的視点で自分の将来のキャリアのために、今自分が何をするべきかの解決策を検討しましょう。

30代の「やる気が出ない」を打破!実践すべき3つの手順

どうしても仕事にやる気が出ないときは、以下の3つの手順を実践するのが有効だといわれています。

  • 心身のリセット
  • 現状を見つめ直す
  • 具体的な行動に移す

順番に解説していきましょう。

1.まずは心身をリセット

やる気が出ないときは、まず体の疲れをとることが先決です。ずっと走り続けられる人はいません。焦ることなく、今はそういう時期なのだと考えて、ゆっくり休むようにしてください。

ここでは心身をリラックスさせる方法につていて解説します。リラックス方法は人それぞれ、自分が一番リラックスできる方法がおすすめですが、休むのが苦手だという方はぜひ参考にしてください。

十分な休息と睡眠の確保

まずはオンオフをしっかり区別しましょう。休むのが苦手だという方は、休日も仕事のことを考えがちです。真面目な人ほどその傾向は強いので、仕事の日は仕事、休みの日は休みとしっかり切り替えて、休息に専念するようにしましょう。

それでも休むことに罪悪感があるなら、「休むのも仕事のうち」と考えてください。実際、しっかり休息をとらないと仕事のパフォーマンスも向上しません。夜はたっぷりと寝て、体力を回復させることが大事です。

適度な運動とバランスの取れた食事

適度な運動はストレス解消につながります。また、運動による軽い疲労が質の良い睡眠をもたらすでしょう。運動と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、できる範囲のものでかまいません。ストレッチや散歩でも十分です。

また、心身の健康のためには食事の質も無視できません。適度な運動と併せて、バランスの取れた健康的な食事も意識してみてください。

信頼できる人への相談

やる気が出ない原因やモチベーションを保てない理由を、信頼できる人に相談するのもおすすめです。家族や同僚に打ち明けることで、ため込んでいたものがすっきりとして、心が軽くなるかもしれません。

職場の人や近くにいる人に話しにくいのであれば、学生時代の友人や、職場とはまったく関係のないところで相談するのもいいでしょう。新たな視点を得られたり、新鮮な気持ちになれるかもしれません。

2.現状を見つめ直す

心身の状態が回復したら、仕事のやる気が出ない現状を見つめ直し、自分の考えを整理しましょう。以下に、具体的な方法を解説します。

仕事の役割・意義の再確認

仕事のやる気が出ないと感じるときには、まず自分に与えられた役割を見つめ直すことが効果的です。自分の仕事が誰にどのように役立っているのかを再確認することで、達成感が得られ、モチベーションの向上につながるでしょう。

また、自己分析を通じて自分の強みや弱み、仕事への価値観を明確にするプロセスが、現在の不満や悩みを整理するきっかけになります。
このプロセスは、キャリア形成において重要なステップとなり、未来に向けての新しい視点を得る助けになるはずです。

OpenWorkで客観的情報を収集

OpenWorkではさまざまな企業に関するデータを収集しています。もし転職で環境を変えるべきか迷っている場合、OpenWorkで情報収集をするのがおすすめです。

同業他社の情報を調べるほかに、興味のある業界や企業を調べることでやる気がアップする可能性があります。気になる方は、ぜひ一度のぞいてみてください。

3.改善に向けて具体的な行動を起こす

やる気が出ない原因が明らかになったら、続いては改善に向けて実際に行動を起こします。ここでは、やるべき行動について具体的に解説していきましょう。

上司・会社への具体的な改善提案・相談

会社に対する不満でやる気が低下している場合、改善できないか上司や会社のしかるべき窓口に相談してみましょう。給料など待遇面に不満がある場合は、声をあげることで的確な評価や待遇の導入を検討してもらえるかもしれません。

また、業務内容や職場の人間関係に問題があるなら、思い切って配置転換を相談するのも手です。環境が変われば、やる気が戻ってくる可能性があります。

小さな目標設定で成功体験を積み重ねる

やる気が出ないときは、目の前の目標を小さく分割してみましょう。短期間で確実に達成できる小さな目標を設定し、一つひとつ達成することで、成功体験を重ねます。

すると、その成功体験によって脳の神経の配線が組み替えられ、やる気につながる神経伝達物質がより生成されるようになるのです。

成功体験は自信にもつながります。自分の意思で積極的に動き、成功を重ね、そのことが自信を呼び起こし、やる気を取り戻すことになるのです。

新しいスキル習得

新しいスキルを習得することで、仕事のマンネリ化や将来に対する不安を解消しつつ、自己肯定感を高めることができます。特に将来性やキャリアパスに不安がある場合、転職を想定したうえで新しいスキルを身に付けるのがおすすめです。

転職に向けたスキル習得なら、一つの専門分野を深く掘り下げる「縦軸」と、関連する幅広い知識や経験を持つ「横軸」を組み合わせたT字型スキルの習得を意識するといいでしょう。自分に自信がつくのはもちろん、より自分の総合的な価値を転職市場にアピールできます。

現在の仕事を辞めて転職したほうがいいケース

これまで紹介した対処法を試してもやる気が出ず、環境を変える必要があると感じる場合は、転職も視野に入れて検討してみてください。とはいえ、転職は簡単に決意できるものではありません。焦って転職して、キャリアアップに失敗する可能性だってあります。

そこで、ここでは今の仕事を辞めて転職したほうがいいケースを紹介します。

心身の健康が著しく損なわれている場合

やる気が出ない状況が続き心身の健康に影響が出ている場合は、きちんとメンタル面のケアをする必要があります。

例えば、休息をとっても気分が回復しない、ストレスが限界に達している、不眠や倦怠感、うつ症状が出たときなどは、仕事ができる状態にはないといえるでしょう。
メンタルケアに力を入れるとともに、環境を変える必要があるといえます。

無理をして働き続けると、心身の健康を著しく損なってしまいます。自身の健康な未来のためにも、なるべく早めに気持ちを切り替えて転職へと動き出しましょう。

会社に改善の意思や具体的な動きが見られない場合

待遇や人事評価、人間関係など、やる気を損なう原因となる問題に対して会社に改善を訴えても、会社が対応してくれないこともあります。

この場合、そのまま働き続けるより転職をしたほうがいいでしょう。改善に動いてくれない会社で働き続けると、さらなるモチベーションの低下につながります。

不当な待遇や環境下にある場合、その改善を望むこと、もしくはより良い条件を求めて新しい仕事を探すことは何も悪いことではありません。キャリアアップの好機と考えて、転職に乗り出しましょう。

自分のキャリアビジョンと会社の方向性が根本的にズレている場合

現職で望むキャリアが実現できない場合や将来の展望が期待できない場合、環境を変えることを検討すべきです。

まず、キャリア停滞の原因を明確にし、自己分析を通じて今後の目標や転職活動の方向性を決めましょう。ただし、実現したい目標が不明確であったり優先順位が定まっていなかったりする場合、転職に失敗してしまう可能性があるため注意が必要です。

転職を本格的に考えだしたときや、自分の目標や方向性、優先順位をはっきりさせるために役立つ情報源の一つとして、OpenWorkがあります。

OpenWorkは、さまざまな企業で実際に働く社員のリアルなクチコミを見ることができるサイトです。じっくり見ていけば、社員がどのようなことを感じながら働いているかを知ることができるでしょう。

また、気になる企業の社員・元社員に質問を投げかけることも可能です。気になることを聞くことで転職後のイメージがより具体化させやすくなるので、積極的に活用してください。

さらに、履歴書を登録することで、さまざまな企業からスカウトが届きます。まずはスカウトが届いた企業のクチコミなどから確認すると、スムーズに情報収集できるでしょう。

まとめ:どうしてもやる気が出ないなら転職も視野に入れよう

30代は仕事の理解度が進むこと、そしてライフステージの変化などで、仕事に対してストレスや悩みを抱えやすくなります。

そして、そのことがモチベーション低下につながりやすい年代です。待遇や人間関係など職場の環境だけでなく、クォーターライフクライシスなど30代特有の原因でやる気が出なくなることも珍しくないので、やる気がでないからといって自分を責めるのはやめましょう。

仕事に対するモチベーションを改善するには、休息をとる、会社に相談するなど、実際に自分から行動する必要があります。
ただし、心身の健康を害するおそれがある場合や相談しても改善が見込めない場合は、転職を検討するのがおすすめです。

OpenWork ではさまざまな企業のリアルな意見を把握できるため、転職先選びに大いに役立つでしょう。まずは気軽にクチコミチェックからしてみてください。

まずは無料ユーザー登録(1分)

専門家アドバイス: 比較的に平等な世界で過ごしてきた20代から、少しずつ差がつき始める30代に突入すると、相対的な自分の立ち位置が気になり始めます。だからこそ大切なことは、目先のことを他人と比べて一喜一憂しないこと、自分の将来のキャリアを考えて、今できること、今の自分に足りないことを冷静に分析し、新しい知識やスキルを習得するなど、今の自分にできることに集中し、自分磨きと心身の健康に励んでいただきたいと思います。

前へ

職場の人間関係に疲れたときの10の対処法と休職・転職の判断基準【専門家監修】

次へ

仕事のやりがいを見つけるには?持てない・感じられない原因と対処法を解説